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□それが僕の愛し方
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さぁ、ゲームをしようか?

僕と貴方のゲームを、

雲という掴めなくて

手に届かないものを

貴方はどうやって手に入れる?




ずっと逃げるのも..流石に疲れる。
休憩をする為、近くの教室に入った

反対側の廊下を見れば、金髪の大人が走っているのが分かる




跳ね馬はまだ僕を捜して走ってる。



そんなに僕を雲の守護者にさせたいのだろか...


もし、僕ではなく違う奴でも
あんなに真剣になるのだろうか


「....僕らしくない..」


孤高に生きて来た僕なのに、
まるで僕だけを捕まえて欲しいみたいだ



溜息をこぼしながら、彼を方を見ていると気がつくと隣の教室にいた

流石赤ん坊の弟子、体力は優れている


「何処だぁー?恭ー弥ー」


だけど彼は、教室のごみ箱の中やテレビの裏まで僕を捜していた



“誰がそこに隠れるか、”


と内心毒づき
今ここで咬み殺そうかとトンファーを出して
殴り掛かろうと思ったその時


「恭弥は‥俺の事どう思ってんだろうな‥」


その言葉はどこか寂しげに聞こえた




「俺の事‥全然分かってくれねーし、」

(僕は貴方の方が分からないけどね)


「すぐに暴力振るうし..、」

(貴方が鬱陶しいからでしょ?)


「言うこと聞かないしっ!」

(僕は縛られるのは嫌いだ)


「‥好きだっていう気持ちも伝わらねーし‥鈍感なのか‥?」

(それは‥‥‥)



‥‥‥え‥‥?


それはあまりにも意外過ぎて
頭が思考停止した。

好きだと言った‥‥あの跳ね馬が、


心臓が高鳴った

きっと今の僕は顔が真っ赤だろう


窓を見れば空はもう日が東に傾いている


「みーっつけた!!」

「ッ!!」

ニコニコしながら跳ね馬が後ろから抱きしめてきた。


ドクン


また前よりも心臓が跳ねる。

心臓の病気なのかも知れない


「‥‥僕に‥‥る‥な」

「‥なんか言ったか?」

心配そうに雲雀の顔を覗き込むディーノを見て、さらに心臓は高鳴る


「‥‥僕に触るな!!!」

仕込みトンファーで思いっきり薙ぎ払った
跳ね馬は飛ばされて壁にガンッと当たった


「ぐっ‥いきなりなんだ!!‥よ?」


恭弥を見れば、隠しきれないくらい
真っ赤な顔をしていた。

「おっ‥おま‥」

「喋ったら咬み殺す!!」

チャキッっとトンファーから刺の刃物が出てきた。

「‥‥へ?」

「‥しょうがないから引き分けね、
 君、明日から風紀委員の雑用だから
 ‥‥じゃあね。」

そう言って手を振った中指には、雲のリングがちゃっかり嵌めてあった。


「恭弥のやつ‥辞める気なかったんじゃ」


それにあの時‥顔が赤かった。

トンファーで薙ぎ払ったのは‥照れ隠しなのかも知れない。


「そしたら命がいくつあっても足らないな」

そう苦笑いして、恭弥を捕まえるゲームは幕を閉じた。


 end .

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