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□ダイスキ
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知ってますよ、

僕の恋は叶うはずはない。

そう永久に‥‥


なので、言葉だけは言わせて下さい



     [ダ イ ス キ]





「スペード、久しいな」


両腕を大きく広げて抱きしめる、彼はまた一段と大人になっていた。

まるで小さい子供を可愛がるように頭を撫でる

‥でも悪い気はしない。

それが、ジョットだから、


「髪型が乱れます‥やめて頂きたい」

「む‥‥お前の髪型は既に乱れているだろ う。」

楽しそうに僕の髪をわしゃわしゃとした
無邪気そうな笑顔を見せて


本当に僕は‥貴方に弱い。


大好きと言う言葉以上の存在になっていた


それがいけないことだと知らずに。



あれは‥雨が止まない日でしたね


部屋で貴方とアラウディが話してました。


“あの二人は付き合っているそうだとか”


そんな情報も入って来ていますが

僕には関係ないだろうと思っていました。

ですが、

「ジョット、愛しているよ。」

「あぁ、俺も愛している。」


愛の言葉を囁き
抱きしめ合う二人を見て


僕は憧れた。


そんな関係にはなれない

無い物ねだりだと分かっていても
憧れずにはいられなかった。


「‥‥愛」


この言葉は、貴方達には届かないのでしょう。

僕の入る隙間などあるはずもないので、


なので、この言葉だけ届けますね。


    「大好きですよ」


「ああ、俺も大好きだ。」


 (知っています。

 言いたい言葉は違いますけど、

 ‥ですが想うことは、自由ですよね‥?)


     Io L'amo‥

   (貴方を愛しています)


end .

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