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□ 空 と 雲
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「もうすぐで薬の効果が出ますよ」

俺を実験台にしたのだろう
鑑賞するようにじっくりと見ている

「‥はぁ‥ッ‥はぁ‥‥」

ここにいるのは、ボス二人しかいない
他は、皆俺がなんとか倒したが
流石に敵のボスを倒すだけの力がない、

敵のボスを睨みつけるが、相手は楽しそうだ

「‥‥流石、ボンゴレには効き目が遅いようで‥」

「‥黙‥れ‥、」

息切れと体の怠さで話す事も
ままならない。

自由に体すら動かせない

それを良いことに
敵のボスはポケットからビニールに
包まれた、注射器を取り出した

小さな瓶の中にある液体をその注射器に
入れ、綱吉の前に差し出す


心臓がドクンと脈を打つ
頭で超直感が『逃げろ、危険』と告げるが
もう恐怖感と体がガタガタで動かない


“綱吉、”

今になって頭のなかで彼の姿を思い出した

こんな状態なのに貴方に会いたくてまだ生きたいと願ってしまう‥弱い俺がいた。

「ひば‥ッ‥‥」


たまに笑ってくれる貴方が好きでした


「ひばり‥、‥さ‥」


守ってくれる貴方の背中が好きでした


「さよなら、X世さん?」

「うあああああああああ゛ッッッ!!!」


目が見開き、体の隅々まで激痛が走った

“ひ‥ばり‥”

俺は貴方に二度と‥会えないんですね‥

貴方を守る事が俺には出来たでしょうか


雲雀さんの事だから余計なお世話だと思われているのかな。

貴方を思い涙が零れ落ちる。

ただ貴方を最後に見たかった‥


 
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