小説

□愛されてる証
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「私はちゃっと貴方を愛せてた…?」





季節は春 夏 秋 冬立ち止まることもなく巡っていく


俺にとって彼女は一番だ。
それは今も変わらない


だけど、彼女にとって俺はどうなのだろう……
ちゃんと愛されてるのか…
考えてしまう


あの言葉が忘れられない。




出逢った頃は笑顔さえなかった。
笑った表情なんて見たことなかった…


だから俺は彼女の笑った顔が見たいと
会うたびに花やネックレスなどできる限りのプレゼントをした


でも彼女の「ありがとう」は
嬉しいのありがとうじゃなかった…




彼氏なのに彼女の気持ちを理解できない。
…だから別れようなんて思ってた

あの時までは……





冷たい風が吹いてた

公園のベンチに座って俺は...
「なぁー…おまえ俺の事好きか…?」

「……」



「おいっ聞いてんの?」



「―……好きじゃない…」



え…っ
自分で聞いたくせに驚いた

想像してた言葉と違かったから


「――……マジで言ってんの、それ…!?」



…間が長い




返ってきた言葉は
「うん」

ショックだった……
俺は好きだった…。

彼女が好きじゃないなら仕方ない……



「そっかー……、じゃぁ俺ら別れるか…」
ガタッ

最後くらい格好つけて立ち去ろうとした
彼女の前では




ぐすっ……
うっ…う…っひっ…く


後ろから聞こえたのは
初めて聞いた彼女の泣き声だった

「はっ!?何でおまえが泣いてんだよっ…!!泣きたいのはこっちなのに…!!!」



ぐす……っ
「何で別れようとか言うの…
わ…、私じゃダメ…だったぁ……?
つ、つまんなかったぁ…?」

涙が混じった寂しそうな声で
俺を見ていた



「わけわかんねー…っ」

意識することもなく足は勝手に彼女に近づいた



ガシッ
俺は彼女の脇腹から背中に腕を通し後ろで手を繋げて
俺の肩に彼女の顎を乗せて
優しくなでた…



「何で泣くんだよ…
俺の事好きじゃないんだろう…」
自分で言って悲しくなった
きっと俺も涙目だろうな…



ひっ…く……ひっくっ



「…何か言わなきゃわかんねーよ」



「……好きじゃない…っ」



好きじゃないんかよ…
なら何で泣くんだよ…
期待するじゃんかよ…




「……好きじゃないっ好きじゃない…っ



―ズキン…
またかよ…
そんな言葉四回もいらねー……
男だって傷付くし泣くんだぞ…




ひく…っ
好きじゃないもん!!
あ…、愛してる……////」




愛してるねー……
―……あ…、愛してるッ!?
彼女が俺にぃっ!?



「おま…っ今なんてッ!?!?」
俺の聞き間違えか!?



「愛してるのにぃ…
別れようなんて言わないでょ…っ」



やっべぇー
顔がにやけそう…
てか絶対にやけてるっ←

嬉しすぎるっ////



ひ…っ…う…っ

彼女が泣いてることも
彼女が震えてることも
彼女が俺にしがみついてることも
彼女が五回の好きじゃないから一言の愛してるって言ってくれたことも
全部嬉しいッ////



彼女が震えて喜ぶとか…
俺ってSかっ!?←

まっそんな事どうでも良い
それより
今は彼女に言うべき言葉がある。



「なぁー…俺もさー
おまえのこと……
愛してるッ」///



かあぁぁ///
一瞬にして俺の顔も彼女の顔も熱くなったことがわかった



「おまえ可愛すぎー…//」
ボソッっと声が溢れた


「////」



初めて彼女をちゃんと理解したような気がした


もしかしたら
不器用なだけなのかもしれない…

ちょっと言葉が足らない時もあるけど
それが彼女だと思った



やっぱり好きだっ
それは前も今も
これから先ずっと大好きだっ!!



愛してる証って気持ちだよな。
俺はそう思う

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