◇企画コーナー◇

□二条静様とのコラボ企画☆肝試しだよ全員集合♪
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海の家は大盛況のうちに幕を閉じ、普段は財布の紐の固い角都も予想以上の売上に気をよくしたらしく、珍しく自分から打ち上げ開催をペインに持ち掛け、現在、海の側に建っている旅館の大広間を貸し切っての大宴会の真っ最中である。

宴会、と言っても基本ノリの良くない面子ばかりなので馬鹿騒ぎをするような事はないものの、それでもビールや酒で機嫌の良くなったメンバーは普段より明るい雰囲気で談笑していた。
しかし。
そんな中で、ただ1人、不機嫌そうな顔で周りを見ている男がいた。
サソリである。
彼は飲食を必要としないため、酒の力を借りて楽しい気分になる事も出来ず、そもそも社交性も高くないため宴の席というのは面白く無く、当人は出席を拒否したのだが、ペインからこれも組織の活動の一環だと一蹴され、渋々参加しているのだ。
“この無駄な時間を製作活動に充てたいぜ・・・”
そんな事を思いながら黙り込む。
その様子を気にとめたのは彼の相方、デイダラだった。
“旦那、つまらなさそうだな・・・”
デイダラはしばし考え・・・何か思い付いたらしく、眼を輝かせた。
そして、
「旦那、オイラ良いこと思い付いたぜ!」
と声をかけると、ヒソヒソと何事かを耳打ちし・・・
徐々にサソリの顔に楽しげな笑みが浮かび、二人は無言で頷き合うと、いそいそと立ち上がった。
その様子に気付いたペインが声をかける。
「どこへ行く?何か企み事か?」
「へへっ!ちょっとした催しを思い付いたんだ♪準備してくるから皆は気にせず続けてくれ!うん☆」
デイダラが元気よく答え、足取り軽やかにサソリと共に駆け出して行った。
「暁の企画部長が動き出したな。今回は何をやらかしてくれるのやら」
ペインは苦笑いを浮かべたが、その声は楽しげだ。
向かい側に腰をおろしていた鬼鮫も上機嫌でくぐもった笑いをたてる。
「フフ・・・若い子は元気でいいですねえ」
暁の兄貴達は和んでいたが、(間違ってもおじさんと呼んではいけない)「和み」では無く「呆れ」をばら蒔く男は、ここでも健在だった。
「あれぇ、デイダラちゃんはぁ?」
飛段の馬鹿っぽい声が響き渡り、全員が“物凄い大声でさっき出ていってたろ!どんだけ周りを見てないんだ!”とツッコミを入れる。勿論、心の中で。
ツッコミ役は相方の役目で、下手にその役をとると血を見る事になりかねないからだ。
そして、全員の読み通り角都からのツッコミがしっかり入ったのだった。
「さっきサソリと出ていっただろ。気付かなかったのか?」
「ぜ〜んぜん!あ、角都ぅ、それ食いたい!取って!」
角都の呆れ顔を全く気にする様子も無く、飛段はマイペースで話を進め、角都もそれに付き合う。そんな日常茶飯事なやり取りがガンガン進められてゆく。
「やれやれ。よくオレンジジュースでこれだけ“あて”が食えるものだ・・・そら」
「あ、コラてめぇ!野菜入れんなっ!」
「煩い黙れ。取らせておいて文句を言うな!」
漫才の如く掛け合いが繰り広げられる様を遠巻きに見守るメンバーの脳裏には、
“もう・・・勝手にやってろ”
の文字が流れていくのだった。
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