短編
□第一次食い物大戦
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「…………!?」
「誰!?」
バッ!!と全員が振り向くと
「こんにちは。」
……忍び衣装と甘いマスクで人の視線を一身に背負う雷覇がいた。
「いや、忍べよ!!!」
「お前もな。」
烈火の全力のツッコミを叩き折る水鏡。
「それではお腹の空いている氷雨さんと小金井は行きましょうか!」
そう言いながら小金井と氷雨を小脇に抱えてダッシュする雷覇。
「…………僕らも腹は減っているんだが?」
「そこじゃないでしょみーちゃん!!誘拐よ!!!」
「てか早いな!」
「愛の力じゃない!?さぁその泥沼の渦中の水鏡先輩!迎えに行ってあげて下さい!!」
いきなりテンションを上げて言う柳。その目は(そういう意味で)腐っている。
「…………柳、ちょっと黙れ。」
土門が柳の肩を叩き止める。
「てか水鏡はもう行っちまったぜ?」
土門の手を払い落として柳に言う烈火。
「頑張るね〜。私らどうするよ?」
正直、この場の全員が腹ペコで、追いかける気力は無い。それに、追いかけるなら既に追いかけてる。
さらに、拐われたのが小金井、追いかけたのが水鏡。拐ったのも、もう森の部下ではない麗の人間。
つまり結論として
「…………帰ろうぜ?」
「腹減ったしな……。」
「みーちゃん行ったし……。」
「拐ったのは雷覇さん達だし……。」
それぞれの帰路へと着いたのであった……。