短編
□第一次食い物大戦
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「え?」
「…………普通に切ってるだけですよね?」
いきなりの態度の変わりように着いていけない雷覇と音遠。
「?」
そして、お好み焼きが焼けるのを真剣に見ていたため何が起きているか分からず着いていけない紅麗。
「いや、ちゃうやろ!切り方こうやて!!」
そう言ってもう一つのお好み焼きに縦縦横横とサイの目状に切っていくジョーカー。
「…………なんですかそれ。みんなで食べにくいと思うんですが。」
「…………むしろそっちが何でなんや?普通、一人で食べるやろ。だから四つ焼いたんやし。」
ジョーカーと雷覇の間に静かに火花が散る。
その間に音遠は雷覇が切り分けた方を、紅麗はジョーカーが切り分けた方を食べ出す。
その様子をちらっと見た雷覇とジョーカーは
「……やっぱ紅麗さんも食べとるし、こっちが正解やろ。」
「紅麗様は食べたこと自体ありません。多数決で僕の方が正しいのでは?」
「多数決?偶数やんけ。」
救いようのない不毛な会話を始めた。
因みにこの会話はさらに十数分続き、紅麗の
「焦げるぞ。」
で終止符が打たれたのであった。
…………しかし、話はこれで終わらなかった。