短編
□Trick and treat
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ドサッという音でまず氷雨が正気に戻った。
「え…み、かが…み?」
紅麗もはっとした表情になる。
それを見た水鏡が、
「…俺がしん、で…二人がもど…たんなら…よか、たよ…。氷雨にころされたら…ほんも、だ。」
にこっと笑った後、そのまま息絶えた。
「…いやだ。いやだいやだいやだいやだ!!」
「水鏡…。」
半狂乱で泣き出した氷雨と呆然とした紅麗。
その後ろにまた一人、誰かが現れた。
「二人とも、サンキューな。」
二人が振り返る前に、水鏡、紅麗、氷雨が炎に包まれた。
次の日の教室で…。
「烈火〜!今日も花火やんの!?」
風子が尋ねてきた。
「あぁ!材料も入ったからな!」
「烈火君の花火、まるで生きてるみたいに動くよね。私、好きだな。」
柳が烈火に言う。
…そう。俺はこの笑顔を見るためなら何だってする。
Fin.