短編
□Trick and treat
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水鏡が足を止めた。
場所は森の奥の洋館の目の前。
後ろから二人の男女が現れる。
水鏡は気付かないかのように振り返らない。
「幻想の催眠に溺れさせたままで良い」
男がそう言う。
女が後ろから水鏡に目隠しをする。
これには抵抗をみせ、目隠しを外そうとしたが、
「目隠しを外しちゃ面白くないでしょ」
この言葉で外そうとした手を下ろした。
「足元ご注意。その手は私が引くから」
男がそう言い、洋館の中へと連れられた。
長い廊下を渡り、三人はある一つの部屋に着く。
その中に入ってから二人が言う。
『その身を今すぐに委ねなさい。さぁ』
その言葉で水鏡は地面に崩れ落ちた。