文
□チビですけど、何か?
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ある晴れた午後。
場所は、海堂高校野球部のグラウンド。
今日の合同練習も中盤に差し掛かり、メンバー達が三塁側ベンチで休憩を取っていた。
そこから少し離れた一塁側ベンチの片隅で、泉と渡嘉敷がひっそりと休憩を取っていた時の事である。
泉が突然こんな話題を切り出した。
「なぁ、自分で認めたくはないけど…オレ達って他の部員よりも確実にチビだよな。」
「ブハッ…!!な…なんなんだよ急に…てゆうかチビって言うなよι」
予想外な話題に不意打ちを喰らい、噴き出してしまったスポーツドリンクを手の甲で拭いながら、渡嘉敷は認めたくない事実に顔を顰め、国分もだろ、と付け足す。
二人はそんな会話を数分間交わしていた。