文
□ワスレナグサ
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僕の目線の先には、窓際に咲いた勿忘草。
風が吹き込んで来る度に、青年の艶やかな髪に合わせるようにして小さな花弁が揺れる。
「愛してるよ……今でも」
ふと呟いた黒髪の青年。
思い出す度に、切なくなる。泣きたくなる。
白い床、白い壁、白いベッド…
そして白すぎる君…
「吾郎くん…」
何もかもが白すぎて、消えてなくなりそうだった。
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