story

□アッチの世界
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「じゃあよ」

「ばいばい。またメールする」

二人は、お昼休みの間に学校から姿を消した




外は5月晴れ。
キューティー3は、仲良く中庭で食事中
キューティー3とは、よく言ったもので、カレンがいるだけでも目立つというのに、加えて学園ランキング『彼女にしたい』1位の美斗とロリ顔少女のミヨがいるのだ
目立たないわけがない

「ミヨのお弁当、また凝ってるねぇ」

パカッと蓋を開けると、ネズミーランドのキャラクターが「こんにちわ」している

「カワイイ!おいしそう。ミヨのお母さんは、料理上手だね」

「それにしても、デッカイ梅干し」

ネズミーランドのキャラの口となる部分に存在する梅干しのせいでキャラの表情が崩壊している

「食べてしまえば同じ」

パクっと卵焼きを口に放り込んだミヨ

「そういえばさ、商店街に新しくカラオケできたじゃん?今日行かない?」

カレンが目をキラキラさせて、サンドイッチにかぶり付きながら言う

「今日?」
楽しそうだけど、今日はコウちゃんの誕生日プレゼントを選びに行こうと思ってるんだよね

「あ、なんか予定ある?ミヨは?」

「……行く」

二人の視線があたしに向く

「…行きます」

「やった♪そうこなくちゃ」

「それが、最良の選択」

二人の笑顔には、敵わないよ、全く
コウちゃんへのプレゼントは、カラオケのあとでもいいか

「あ、バンビ危ない!」

ぽけっとしてたら、どこからかバレーボールが飛んできて、間一髪のとこでカレンが華麗に弾き返してくれた

「バンビ、平気?
ちょっとー、どこ見て打ってんのー?」


「ハズレたから!」
と言いながら、こちらにやってきた女生徒
タイの色から3年生だと分かる
緩いウェーブのかかった髪が大人っぽさを醸し出し、豊満なバストは制服のボタンがはち切れそうだ

「はば学のマドンナちゃん?あたしを差し置いて1位ってどんな女かと思ったら…顔はまぁまぁだけど、貧相ね」

フフッと鼻で笑う

横で立ち上がりそうなカレンの手を握って抑える

「ねぇ、アナタ。ルカくんと仲良しなんですって?紹介してくれない?」

キツめの香水が鼻につく
あたし、らめなのよ。女の甘くさい香水
気持ち悪くなっちゃう

「ルカくんに聞いてみます」

早々に立ち去ってほしくて、そう答えると女はギトった天ぷらでも食ったのかと思うほどテカッた唇を歪めて

「あんまり調子に乗らないでね。」


小声で言うと、女は何もなかったかのように去っていった



いやー ここまで嫉妬を露にできるなんて正直スゴイね!頭ん中で、アッパレ!アッパレ!ってバカ殿が祝杯をあげている

「今の人、3年の松尾あやか。血液型はB型。バンビが現れる前は、学園ランキング1位で、はば学の白百合と言われていた
だけど、その座を簡単にかっさらったバンビ
嫉妬は、時に人を醜くさせる。あの人、破滅しなければいいけど…」

「ねぇ、バンビ?ルカくんを紹介するの?」

「言うだけ言ってみようと思ってるけど…」

「無駄だと思うなぁ…ルカくん、女の子にモテモテだけどバンビ意外は、好きとか嫌い以前に興味ないって感じ」

「そうかなぁ?でも、あの人、男のロマン持ってたし意外と?」

「男のロマンって?」

ミヨが大きな目を、パチクリさせて聞く

「…巨乳」


「バンビ、エロ親父くさ」

「ええではないか、ええではないか」
あたしは、目を細めて極めてエロ親父になってミヨの肩を抱いた


「ぷっ、もうバンビ!やめて」

「その顔ヒドイからぁ」

二人が笑っていると、マヂ楽しい。
この笑顔のためなら、あたしはエロ親父でも何でもやってやる

「せっかくだから、その変顔写メ撮らして!」

携帯を構えるカレンに向かって、極上の変顔を作った
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