□一人じゃ何も出来ない
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『雄也は本当寂しがり屋だよね(笑)』

「ちげーし、嘘言うな山田」

『嘘じゃないし。ねぇ薮くん』

「寂しがり屋だもんね〜ゆうやんは(笑)」

『薮くんまでー』









寂しがり屋というワードは昔から言われる。大好きな薮くんにまで

付き合いたてのころ、薮くんに言われたよ。




『寂しがり屋な雄也』




って。それでむきになったことがある。悔しかっただけ。でも実際一人じゃ何も出来ない寂しがり屋なんだって
情けない。強くなりたい














『っ…』

「どうしたの?寂しがり屋の雄也くん」

『なんでもない』

「馬鹿だな、高木は」

『薮くん意味わかんないし』

「じゃあ、俺今日先に帰るから」

『なっ…好きにすればいーじゃん』











ああ…また拗ねちゃった。

薮くんは伊野尾くんと仲良く帰ってった…

自分が拗ねたのが原因だけど本当は本当は…一人じゃなにも出来ない

でも強くならなくちゃ、薮くんに嫌われて薮くんが離れて行っちゃう。
そんなのは嫌だ。薮くんと離れたら…



あ…また俺、甘えてんのかなぁ













『甘えんぼだっていいじゃん』

「え?」

『僕はそう思うよ。』

「ち、ねん…」

『じゃ、眠いから帰る』

「………」












そんなんじゃ駄目なんだって。
薮くんに嫌われちゃう。そんなのは嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……

嫌なんだ…




結局帰る人もいなくタクシーで隣駅まで走らせた。
外はもう暗く、ビルの電気が付いていてすごく綺麗でなんとなく落ち着く。周りが温かいのかもしれない。

でも急に寂しくなった。分からないけど寂しくなった。



家に着いてママが用意してくれた夜ご飯をTVを見ながら食べていた。そしたら弟が起きておかえり。と呟いた








『今帰ったんだ』

「うん」

『明日も仕事?』

「明日は夕方からダンスレッスン」

『ふ〜ん』

「おやすみ」

『おやすみ』













弟は水を身体に含んで自分の部屋に行った。ご飯を食べ終えTVの電気を消しそのままシャワーを浴びに浴室へ向かった。




































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