恋戦

□我が子
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三成と洸が祝言を挙げて3年が経ち、ふたりには喜ばしい出来事が━━。


洸に待望の男の子が生まれたのである。


名前は『重家』と名付けられた。


三成は初めての我が子をとても喜んだ。


三成
「洸、お前が大事なく、子が無事に生まれて良かった。」



「三成様ありがとうございます。この子の成長が楽しみですね。」


三成は洸の体をとても気遣っていたので、無事にお産を終えたことにほっとしていた。


三成
「洸、一度俺にも抱かしてくれないか?」



「ええ、どうぞ。」


洸の腕から三成の腕の中へ、我が子を移すと、すぐに子供が泣き出した。


三成
「ああっ!どうしたらいいんだ?洸。」


三成は子供の泣き声にどうしたら良いか分からず、慌ててしまう。



「くすっ。」


いつもは冷静な三成の慌てぶりに洸は笑みを浮かべた。


三成
「洸!笑い事ではないぞ。何とかしてくれ。」



「では、私の腕の中へ。」


洸の腕の中へ戻すと、途端に泣き止んだ我が子に三成は苦笑する。


三成
「何故、俺が抱くと泣いてしまうのだ!?男たる者、そんなことではいかん!」


愛想が悪いとは言わないが、子供にとってはちょっと怖い顔に見えたのかも?と洸は思ったけれどもあえて口に出しては言わなかった。



「きっと、三成様の抱き方がまだ慣れていないからなのでは?」


洸は三成の様子を見て、まだ僅かに微笑んでいた。


洸のそんな姿に何気ない幸せを感じた、三成はそっと洸に口づけをすると、再び子供が泣き出してしまった。


これでは暫く、甘い睦言はお預けになりそうな気はするが、子供の誕生は正直に言うと嬉しいと思った三成であった。




【終幕】




 

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