犬僕

□one way
1ページ/2ページ

「なぁ残夏ー!」



「ん?どうしたの渡狸ー☆」



いつだって君はそう


甘いお菓子みたいに



「なんでお前っていつもなんか諦めたような面してんだ?」



「……え?」



「あ、い、いやちょっと気になっただけだけどよ…。わり、忘れてくれ!」



「え、ちょ…」



諦めたボクに囁きかける



綺麗事ばっかりで



「…なんで、気付いたのかなぁ………渡狸ってこういうことにだけ、敏感なんだよなぁ…」



胸焼けしそうなほどに



そんなとこ



「たまらなく嫌いだ…なんてね」







_________________



「なぁ、残夏。」



「んー?☆どうしたの?」



「俺、医者になる…!」



「…え?どしたの渡狸」



「お、お前の病気治してやりたいからにきまってるだろ!!…どうせなら、少しでも長く一緒にいたいし」








__________________







あのとき 君が僕にちらつかせた



甘い夢の 責任はどうとってもらえるの



___来世のラウンジにて




「渡狸…。ご飯、口についてる…」



「なっ!?い、いやべつに俺は不良だから自分でとれるっての!子供扱いすんな!!」






「…貴様はこれでいいのか?」



「…うん、いいんだよ。渡狸には笑っててもらいたいんだ。…例えボクがいなくても、渡狸が幸せならそれでいいよ。」



__________



「…こんなこと考えてるって知ったら、」



君、多分怒るよね。



「でも、お互い様でしょ。………渡狸のカルたんへの思いとボクの渡狸への気持ちは、結局は一緒なのにね…」










ボクの気持ちだけは、一方通行なまま。





end

next後書き
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ