犬僕
□one way
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「なぁ残夏ー!」
「ん?どうしたの渡狸ー☆」
いつだって君はそう
甘いお菓子みたいに
「なんでお前っていつもなんか諦めたような面してんだ?」
「……え?」
「あ、い、いやちょっと気になっただけだけどよ…。わり、忘れてくれ!」
「え、ちょ…」
諦めたボクに囁きかける
綺麗事ばっかりで
「…なんで、気付いたのかなぁ………渡狸ってこういうことにだけ、敏感なんだよなぁ…」
胸焼けしそうなほどに
そんなとこ
「たまらなく嫌いだ…なんてね」
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「なぁ、残夏。」
「んー?☆どうしたの?」
「俺、医者になる…!」
「…え?どしたの渡狸」
「お、お前の病気治してやりたいからにきまってるだろ!!…どうせなら、少しでも長く一緒にいたいし」
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あのとき 君が僕にちらつかせた
甘い夢の 責任はどうとってもらえるの
___来世のラウンジにて
「渡狸…。ご飯、口についてる…」
「なっ!?い、いやべつに俺は不良だから自分でとれるっての!子供扱いすんな!!」
「…貴様はこれでいいのか?」
「…うん、いいんだよ。渡狸には笑っててもらいたいんだ。…例えボクがいなくても、渡狸が幸せならそれでいいよ。」
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「…こんなこと考えてるって知ったら、」
君、多分怒るよね。
「でも、お互い様でしょ。………渡狸のカルたんへの思いとボクの渡狸への気持ちは、結局は一緒なのにね…」
ボクの気持ちだけは、一方通行なまま。
end
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