犬僕

□作戦
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息が出来なくなってきて、残夏の服をぎゅうっと掴むと、唇を離してくれた。



唇から引く糸が妙に色っぽい。



「…っはぁ…、渡狸からしてくるなんて初めてじゃない?今日はやたらと大胆だねぇ、どうかしたの?」



流石にあの雑誌のことは言えないので、俺は適当に思いついた言葉を言った。



「え、と…。残夏にキスしたくなったから…じゃ、だめ、か?」



何気なく上目遣いで言ってみると、



「…っ…」



口元を押さえて真っ赤になっている残夏。



…!!蜻蛉、成功したぞ!!と、心の中でガッツポーズをする。



「…そんなに誘ってくれてるならさ、無駄にしちゃだめだよね〜?」



え、と言おうとしたとき、急に残夏に押し倒された。



残夏も俺も、飲み物は近くのテーブルにおいといてあったからこぼしはしなかったけれど。



「え、ちょ、残夏…!?」



「な〜に〜?」



にやり、と目の前の悪魔は妖艶に笑った。



まずい、と本能的に感じた俺は、



「ま、まままま待て!!こ、ここじゃ狭いし、せ、せめてベッドに…!!」



混乱して言いたい事とは全く違うことを口走ってしまった。馬鹿か俺はぁぁぁ!!



「…どこでそんな誘い文句覚えてきたのやら」



「え?」



残夏が小声で何か呟いたけど、聞こえなかった…。なんて言ったんだ?



何でもないよ、と残夏は言い、そのまま俺を横抱き…つまりお姫様だっこをして、ベッドへと連れていった。



このまま流されるのも悔しいので、最後にぎゅっと抱きついて



「残夏、大好き」



と残夏の耳元で囁くようにすると、残夏の中で何かがぷっつんと切れる音がした。



あ、まずい。とは思ったものの、逃れることはしなかった。



だって、今はどんな事をしても無駄だから。



そうして俺は、ベッドの上で再度押し倒された。








そして俺は、残夏を誘惑なんてしない方がいいということを身をもって知ることとなった。














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やたら長くなってしまった…;;
それに何故か微裏に…←

ちなみに、雑誌に乗っていたことをいくつ実行したかはご想像におまかせします。←


ここまでお読み頂きありがとうございました!
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