黒バス

□小さな約束
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「…でさ、そこで根武谷がー…って、聞こえてるー?宮地ー?みーやーじーさーん?」



「うっせえな、聞こえてるっつの」



葉山に押しに押されて半ば無理矢理始めさせられたスカイプ。



そしてこれまた半ば無理矢理こじつけられた「毎日8時から通話しようぜ!」という約束。



人が仮にも受験生だということを忘れて…るんだろうな…



「なーなー、宮地ぃ」



「んだよ。それと敬語使えっつってんだろ轢くぞ」



「うおっ、こえぇー。ねー宮地ー、好きだよー。」



「何が悲しくて男から告られなきゃなんねーんだよ俺は」



「なっ、俺は本気だっつーの!」



「はいはい…そろそろ俺は勉強するから切るぞ」



「おう!じゃーまた明日な!…あ、あと!」



「あ?まだなんかあんのかよ」



「いつになったらビデオ会話してくれんだよー!宮地のパソコンにwebカメラついてるんだろー?」



「うるせぇな、なんとなくだよ。じゃあな」



プチッという無機質な音がして、切られる通話。



自分から切っといてなんだが、スカイプ切ったあとってのはよくわからない寂しさがあったりする。



「って…そんなことはどうでもいいか、勉強しねぇと…」




















一方、葉山は



「はあ…ほんと、なんでビデオ会話してくんないんだろ」



俺と会話すんの、つまんねーのかな。



「…聞いてみるしかないな」















「…あ?メール…葉山、ってあいつかよ!今度はなんなんだ…」



『宮地はさ、俺と会話してて楽しい?』



「…はあ?」



なんだよ急に…



「…」



駄目だ、言えるわけがねぇ…心のどっかでは毎日通話すんのを楽しんでる自分がいる、なんて



「…」















「ん?返ってきたかな」



『さあな』



「さ、さあなって…ん?これ続いてんのか?」



本文をスクロールしていく、と



『だけどちょっと楽しみにしてやってもいい』



「…ツンデレだ」
















「…ん」



手探りでケータイを取り、メールを開く。



『ありがと!また明日な、宮地!大好きだぜっ』



「…はっ、バーカ」



しかたねぇから、明日も8時に待っててやるよ

















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