毛探偵
□保健室にて。
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「あぁ…やっぱり体育疲れた…」
よろよろとふらつきながら辿りついたのは保健室。この状態だと確実に次の時間ろくに勉強出来ないから、休ませてもらうことにした。
「失礼しまーす…」
ガララ、と保健室の扉をあけると、そこに先生の姿は無くかわりに妙な形をしたロボットがいた。
「…えーと…」
どう反応したらいいんだろうと考えていたら、ロボットに貼り紙がされてあることに気がついた。
(えーと…何々…?『午後まで出張やから用がある奴はこの手伝いロボットの【カイゴハザードミニ】に頼めや☆ Byノア』)
カイゴハザードなんていう介護をするのか邪魔をするのか分からない名前のロボットにどうしろと?とは思ったけど、一応、
「あっ…えーっと…ベッド借ります…?」
そう言って二つあるベッドのうちのカーテンが閉まってない方のベッドに上靴を脱ぎ寝転がる。と、カイゴハザードがそっとカーテンを閉めてくれた。
布団を被り、目を瞑るといとも容易く俺は眠りに落ちていった。
「…ん、ん…?」
目を覚ますと、寝る前から30分程進んでいた。
そして、何やら体に違和感があった。
「…なんでだよ…」
いつも隣のベッドで干からびてるか魂が抜けてるかしている彼…因幡遥が、俺を抱き枕だと言わんばかりに抱きついて寝ていた。
「……………」
何故だろう…遥が美形だからなのか、胸の鼓動が早まっている。
白くて綺麗な髪の毛とか、男のくせに長めなまつ毛だとか、パッと見女性にも見えなくもない遥の髪の毛を撫でてみる。
…流石因幡先生の弟だな、と関心した。何故って、見た目に反せずサラサラだったから。因幡先生がしっかり手入れしてるのが目に浮かぶ。
「…んー…」
あ、やばい、起こしたか?と思った時、彼が発した寝言が、俺の鼓動を更に早めたのは内緒。
(圭くん、すきだよ)