陽炎
□あの時の言葉が
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ある夜のこと。
「う、ぅん…」
いつもより一段と暑く、寝苦しかった日に僕は目を覚ました。
時計を見ると、そろそろ3時という所を針が指していた。
「………マリー?」
ふと窓際を見ると、マリーが外を見ていた。
「あ、セト…。起こしちゃった?」
「ううん、マリーのせいじゃないよ。寝苦しかったから…。」
「そう?でも、確かに今日暑いよね…。」
「うん。ところで、マリーはなんで外見てたの?」
「ん、ちょっと…お母さんがいたときの夢、みちゃって。懐かしいな…って、思ってた。」
「…寂しい?」
「…ちょっとだけ、ね。でも、今はこうして、私を怖がらずに接してくれるみんながいるから、平気!」
「そっか。」
「それに私、セトが言ってくれた言葉にいつも励まされてるんだよ…。」
「…僕が言ったこと?」
「『でも世界はさ、案外怯えなくていいんだよ?』ってやつ!」
「!!」
実のことを言うと、当時の僕は…なんというか、あんまり自分としては思いだしたくないんだけど…まぁいいや。マリーが嬉しそうなら、それでいい。
「…懐かしいね。そんなことも言ったっけか」
「うん!あの時はありがとう、セト!」
「どういたしまして。」
「ふぁぁ…。眠くなってきたなぁ…。セト、寝よ?」
「そうだね」
こんな平凡な毎日が、ずっと続けばいいと思う。
だけど、そう上手くいかないことも事実なわけで。
だからこそ僕は、今、この瞬間を大切にしようと思えるのでした。
end
グダグダ。
久しぶりの更新がこんなんですいません。
でもセトマリは多少グダグダでも可愛いから許されると思う。←