リクエスト
□心配なんだよ。
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「大丈夫ー?渡狸…。」
「うっせぇ…っつ…」
30分前…
「あっ!!」
「…?渡狸、どうしたの…?」
「やべ…社会のノート学校に忘れてきた…」
いつもなら気にしないけど…生憎今日は社会の課題があった。
「わり、カルタ先帰っててくれ!ちょっと取ってくる!」
「え、でも…」
カルタの静止も聞かずに、俺は学校へと向かった。
「…はぁ、あっさり見つかってよかった…、カルタ、心配してるかもな…。早く帰ろう」
その時俺は忘れていた。
ガッ!!
「…ッ!?」
今が、逢魔が時だと言うことを。
…そして、冒頭に至る。
「全く、渡狸は馬鹿だねぇ〜、明日誰かに写させてもらうっていう手思いつかなかったの?」
「………うっさい」
「(今気づいたんだ…)」
「とにかく…っ、ここ残夏の部屋だろ…、俺、自分の部屋にもど…っ!?」
起き上がろうとしたら背中に激痛が走った。
「あーほら、起き上がっちゃ駄目だって。かなり強く打ってるんだから。」
「…っつう…ざん、げ、ごめ…」
「いいよ、渡狸の面倒は見慣れてるから。」
俺がなぜ打ち身程度で済んだかと言うと。
「ていうか、カルタたんが戻ってきてくれなかったらどうするつもりだったの?」
「…う…」
そう、帰りが遅い俺を心配して戻ってきたカルタに助けてもらったから。だからこそ打ち身程度で済んでいるのだった。
「はぁ…これじゃ修行なんて意味ねーじゃんか…」
「全くだよ。あんまり無茶しないで欲しいんだけど?」
「んなっ…!」
残夏、てめぇ…! と、言おうと残夏の方を見ると、残夏は珍しく怒っていた。
「君はいつもいつも無茶しすぎ。見てる方の気持ちにもなってよ、全く…」
「…ご、ごめん、なさい…」
言い方は冷静だけど、かなり怒ってることは痛いほど伝わってくる。
「…もう、こんな無茶しないでよ?」
そういって、起き上がれない俺に配慮したのか俺を寝かせたままおでこにキスをしてくれた。
「ん、…ごめん、な?」
すき、と小さく呟くと、残夏は少し驚いて、すぐ優しく微笑んでくれた。
「うん、僕もだよ。…もう遅いし、早く寝な?」
うん、と頷いて、
そのまま俺は意識を手放した。
end
後書きと言う名前の反省→