捧げ物

□二万打御礼アルジュ♀
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『今日は全国的に快晴の1日になるでしょう』

今朝テレビでにこやかにそう言ったお天気お姉さんの顔が、脳裏に浮かんだ。
その誤報のおかげ俺はずぶ濡れで帰宅する事を余儀なくされ、家に着く頃には濡れていない所が無い位に全身びしょ濡れ。

ぶしゅんとひとつくしゃみを吐き出して玄関のドアを開けると、見慣れた靴が一対綺麗にそろえてあった。

「………ジュードー?来てんのかー?」

靴の主の名前を呼んでみる。
部屋の奥からはパタパタと足音が近づいてきた。
やっぱりあいつだ。そう言えば合い鍵を渡していなと思い出す。

「―――お帰りアルヴィン!学校帰り雨が降ってきたから寄らせてもらっ………って、ちょっと待ってて、タオル持ってくる!」

現れて早々に姿を引っ込めるジュード。
その姿は一瞬しか認めていないが、今のは、まさか。

「はい、アルヴィン。風邪引かないうちに早く着替えて―――アルヴィン?」
「おまえ、そのカッコ………」

裸Yシャツ?しかもそのYシャツ俺のだよな?何だコレ殺しに来てんの?

「あ…ごめん、制服濡れちゃったからYシャツとお風呂借りたよ?」
「…………」
「アルヴィン?聞いてるの?」

聞いてる聞いてる。聞いてますとも。
しかしその前に俺の心のブレーキを効かせる必要があってだな。
取り敢えず頭でも拭いておこうか。あくまでも冷静に。紳士に。ジェントルマンに対応だ。

何故なら相手は確実に無自覚だから。

どうやら下着は着けているようだが、白のYシャツ越しだとそれが丸見えで逆にエロい事になっている。
優等生の奴、今日は上下揃って黒ですか。大人しそうな顔してやる事がえげつねぇな。

「アルヴィン?」
「…あぁ、わりぃ。タオル…、」
「何だか様子が変だよ?顔色も悪いし…」
「…風邪ひいたかも」
「ならほら、尚更早く着替えないと。あぁ先に身体あっためる?」
「は、はぁ?」

身体。あっためる…?

それはアレですか肌と肌をくっつけて暖をとるアレな感じのアレですか。
こいつ無自覚に見せかけて実は確信犯ですか。
天使のような悪魔の笑顔って多分こんなんだ。

ジュードの手が俺の手に触れる。
雨で体温を奪われた俺にとってジュードの暖かさは、じんわりとした熱い熱だ。
もうこうなったら前言撤回して素直に身体を暖めて貰おうか。
上目遣いにジュードはにこりと笑う。

「お風呂は沸いてるから、早く入ってきなよ」
「………………あぁ、うん、」

今朝、今日は快晴だと全国ネットで唄ったお天気お姉さんが重なった。

勿論騙された的な意味で。



end
のん様へ。
『アルジュ(♀)の現代パロディで雨が降ってきて急いでアルヴィンが自分の自宅に戻ると自分のシャツを着たジュードがいて自分の理性と戦う』でしたー(^O^)
勝手に裸Yシャツにしてしまいましたウェヘヘヘ((
半年もお待たせしてしまい申し訳ありませんでした(´・ω・`)
エクシリアも暫く手をつけていない(コラ)のでアルジュちゃんのキャラも良く分からないことに…お待たせした上にこんな駄作になってしまい申し訳ないです(;´Д`)
この度はリクエストを有り難う御座いました!

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