□SS/過去拍手
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(J)



「J、おはよう。相変わらず早いね」

「ああ、お前こそ…………なんだその巨大なタライは」

「これ?これはね、このJお手製のトレーニングマシーンまたの名を手動卵割り器の下に設置するのだ」

「手動卵割り器……」

「そして私がこの紐のそばへ立ち、卵尽きるその時まで紐を引く」

「お、おお」

「その後、Jがパンチの練習に使った卵を私がみんなの朝ごはんにする。
これぞエコではないだろうか」

「確実に殻が入ると思うんだが」

「撹拌して濾しちゃえばノープロブレムよ。誰もJの拳によって砕かれたものだとは気付かないはず!
というわけでどうぞ」

「……俺はありがたいが、お前だって忙しいだろうに、付き合ってしまっていいのか」

「いいのいいの。紐引っ張ってくれる人が通りがかるのを待つのも大変でしょ。
協力させてよJ、卵は勝手に貰ってくから」

「フ。……Thanks、恩に着る」

「おー、ユーアーウェルカム。どういたしまして!」







「――……最近、毎日のようにオムレツが出てくるのう」

「わしゃどっちかというと目玉焼き派なんじゃが」

「しかもたまーにどう割ったのか気になるほど粉々になった殻が入ってるような……」

「……Sorry」

「ん、何か言ったかJ?」

「いや、何でもない」





「――寮長殿ー、今日もオムレツでいいですよねー」

「貴様は毎日鶏小屋でも強襲しとるのか?」



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