□SS/過去拍手
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(田沢慎一郎)



「――田沢、私の懐中電灯どんな感じ?直せそう?」

「おお、丁度いいところに来たなみょうじ。今出来たばかりだぞ」

「ほんと?さすが田沢、男塾の頭脳……なにこの傍らの残骸」

「何言ってんだ、お前が持ってきた懐中電灯の部品だろうが。一部以外は使わなかったからな」

「えっどういうこと。直ったんじゃないの?」

「出来たとは言ったが直ったとは言っとらん。
説明より見るのが早いじゃろ。ほれ、懐中電灯の部品を使って作ったミニタザワ28号だ」

「あ、やだかわいい」

「フッフッフ、手のひらサイズと侮るなかれ。
この頭のボタンを押すとだな」

「ぎゃあ!想像以上に眩しい!目が!」

「そう、目が光るのだ!」

「いやそうじゃなくて私の目が甚大な被害を!」

「このくらいの光量があれば、例え夜中に変質者と出くわしたとしても撃退可能じゃろう。ほれ受け取れ」

「あ、ありがとう……。
うう、まだ目の前がチカチカしている。恐るべしミニタザワ」

「まあ基本的には人に向けるなよ」

「思いっきりこっちに向けて発光させたのは誰なんですかね……。
ん?背中にもボタンがついてる」

「おお、それは」

「ぽちっとな」

「自爆スイッチだ」








「…………爆発四散したんですけど」

「ばかもん!説明は最後まで聞かんか!」

「ええ!?私が悪いの!?
そもそも意味もなく自爆スイッチなんかつけた田沢の責任でもあるんじゃないの!?
なんだってこんなもの搭載したのさ!」

「男のロマンに決まっとろうが!!!」

「お、男のロマン……!
それを持ち出されてしまったらもはや私に反論は出来ない!
くそ、私の負けだ……!」

「まあ爆発四散したというより間接部分が外れただけだからすぐ元通りになるんだがな」

「先に言ってよ田沢」





――その後、謎の強い光が男塾や男根寮付近で度々目撃され、警察や祈祷師が呼ばれる騒ぎにまで発展したが、それはまた別の話である。



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