スレイヤーズ

□名前と食事
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「僕は今、写本の処分をしてるんですよ」
ホットミルクを飲みながら、ニコ目でゼロスは言った。
「写本……?」
「ええ。異世界黙示録(クレアバイブル)の写本です」
「へぇ……なんでそんなことしてるの?」
私は、ケーキを食べながらゼロスの話を聞く。
「なんでって。あんな不完全なもの残しとくわけにはいかないんですよ」
「そうなんだー」
「そうなんだーって…下級魔族には脅威になりますし、アヤにも手伝ってもらいますよ」
「はぁーい。おじさん、ステーキセット三つね」
私は、店の人に大声で注文する。

ガタガタタ……
それを見てゼロスはイスから、こけた。
それもそのはず、私はケーキを五つも食べており、まだ食べる気でいるからだ。

(普通、デザートをあとに食べるんですけどね。それより、)
「魔族のくせにまだそんなに食べるんですか!?」
「だって、お腹すいたもん」
「僕たちの食事は負の感情ですよ。リナさんたちじゃ、あるまいし……」
ゼロスはぶつぶつ小言をいい、イスに座る。
「リナさん……?それはそうだけどこっちのご飯もおいしいよ。ねっ、ゼロス!」
私は笑顔で言った。
「…………」
ゼロスは私をじっと見つめていた。
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