スレイヤーズ

□はじめまして
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「ゼロス」



突然、黒い神官服を着た、紫色のおかっぱ頭の青年が姿を現す。

「ここに」

金髪を短くまとめた女性の前に青年はひざまついた。

「今日からこの子を預かることになった。ゼロス、お前が世話をしてやれ」
そう言って獣王ゼラス=メタリオムは、部下であるゼロスに命じた。
「えっ……この子って?」

ゼラスの後ろから少女が姿を見せる。
「はじめまして。アヤです。よろしくね。ゼロス」
アヤは笑顔で言った。
「どういうことですか?獣王様」
「……実は、あの御方がアヤを預かってほしいと頼まれてな。なんでもあの御方が直接創られた魔族だそうだ」
「ええええぇぇぇー!あの御方が!?」
「この世界のことを教えてやること。それと我が部下にとおっしゃられた」
「部下に!?」
「……まっ、我が部下はゼロスお前だけだし、獣将軍でもよいかと考えておる。しかもお前と同等の力があるそうだ」
「獣将軍ですか……!?」
ゼラスの言葉にゼロスは固まる。
そんなー。今まで獣王様の腹心は僕だけでしたのに……。
ゼロスはいじけて床にのの字を書きだす。


「戦力が増えるのはいいことだ……なんでも我らより特別に創られており、なんだかの遠慮があるらしいが……あの御方のお考えだ。悪いことではなかろう。かといってあまりコキ使えんしなぁ……ゼロス、いじけてないで案内してやれ」
「うっ、わかりました」
どうせ逆えませんしね。

「では、獣王様。アヤさん、行きますよ」
そう言って、ゼロスはお辞儀をした。
そしてアヤの手をとり虚空に消えた――……

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