四天小説
□Doux Bonheur
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突然の雨と共に、
君と私の間に咲いた華。
それは、雨の日にしか咲くことがない、
淡く、儚く、そして―
―甘い華
Doux Bonheur
「ねぇ、蔵。カサ持とうか?」
「大丈夫やって。」
「でも・・・腕疲れない?」
「大丈夫。おおきにな、由乃。」
君の囁く言葉、1つ1つが甘い。
周りの雨音も聞こえない程、
自分の心臓がうるさくて。
こんなに近くにいたら、
蔵にまで聞こえてしまうんじゃないかと心配になる。
「早よ雨止まへんかなぁ・・・」
雨が止めば、この華は萎んでしまうのに。
ずっと君の隣に居たい。
このまま、時が止まってしまえばいいのに・・・
なんて思うのは私だけ・・・かな?