氷帝小説
□上がりっぱなしの口角
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くだらない教師の言葉を右から左へと聞き流す。
授業なんて聞いていなくてもわかる。
今の俺にとって、こんなものはただの雑音でしかない。
(メールでもしよか・・・)
音が出ないようゆっくりと携帯を開く。
ここは学校。
ましては授業中だ。
見つかったりしたら面倒な事になるのは確実。
だからこそ面白みがあるのも事実やけど。
(送信っ、と。)
メールの届け先は俺の隣の席に座る美奈。
俺の送ったメールに携帯が反応し震えたのか、
驚いた様子で、あたふたしとる。
アカン。めっちゃかわええ。
口角が上がりそうになるのを必死で我慢する。
授業中に1人でニヤニヤしとったら100%の確率で、
"変態"のレッテルを貼られるだろう。
確かに間違ってはいないがそれだけは避けたい。
ブーッ、ブーッ
小さく響く機械音。
教師を警戒しながら目をディスプレイに向ければ、"美奈"の文字。
<<なんで授業中にメールしてくるの!?>>
だそうだ。
(実際自分もメールしとるやん!!)
と、思ったがそこはあえてツッコまないでおくことにしよう。