氷帝小説
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放課後の教室。
亮の部活が終わるのを待って
ボーっと窓から外を眺める。
「あっ、亮だ...」
テニスコートの方へ目を向ければ、
青いキャップをいつもの様にかぶる亮の姿。
たぶん、あそこで偉そうにしてるのが跡部で、
あの赤い、無駄に跳んでるのが岳人で...
「みんな頑張ってるなぁ...」
ココからでも聞こえる女の子たちの黄色い声。
亮は、私なんかが彼女でイイのかな...
本当に、私でよかったのかな?
そんな考えが、ふと頭をよぎって。
「はぁ...」
誰もいない教室で、1人、ため息をついた。
...はずだった。