08/08の日記

23:46
鉢竹
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気になったのだ。
自分の思いがどれだけ相手に伝わっているのか。
だから竹谷は、それを言葉にしてみた。

「なあ三郎、好きだ」
「…は、ち?」

ぽかんと此方を見つめ返す表情は彼にしてはとても珍しいものだ。
その表情が状況を理解していないと分かると、竹谷はもう一度、自分の気持ちを乗せた想いを口に出した。

「好きだ。好きだ、好きだ好きだ」
「おい、ちょっと待て!ハチッ!!」

慌てて竹谷の肩を掴んだ三郎の顔が必死だったので思わず口から笑みを漏らしてしまえば、叱るような視線が向けられる。
作りものの顔へと手を伸ばし頬を撫でると、面越しの体温は低く感じた。
竹谷の行動を見守るように動かない三郎と目を合わせてその琥珀色に頬を緩ませる。

すきだ

いとしい

だいすきだ

溢れてくる想いをそのまま舌に乗せる。
苦しいほど胸は締め付けられて、それが泣きたくなるほど愛おしく思う。
この想いを相手に伝えたかった。

「三郎、好きだ」
「……っ、…………――なよ」
「え?」
「お前ばかりが、好きだと思うなよ!!」
「っ!?」

頬をなぞっていた手は強い力で握られて、向けられる視線は痛いぐらい鋭い。
それすら愛おしくてもう一度声を出そうとすると、その唇を三郎に塞がれた。

「っ!!んっ、んん……っ!」

水音を立てて口の中を三郎の舌が暴れ回る。
強引に引き出された舌を絡められて舐められて啜られる。
息苦しさから三郎の服を掴んで引っ張るが、その手は直ぐに三郎の手に捕えられてしまう。

「んっ…ふ、ぁ…っ…」

鼻から息が抜ける音に今更ながらに恥ずかしくなって頬が熱くなる。
頬を隠したくともその手は三郎に固定されていて動かせない。
瞑っていた瞼を開いて竹谷の唇を貪る琥珀色に向ければかち合ったことに満足したかのように一瞬細められて、ようやく唇が離れる。
二人の唇の間に透明な糸が伝って、三郎の唇が動くと同時にぷつりと空気に溶けた。

「私だって、ハチを好いている。今のじゃ足りないぐらいもっとお前が欲しい」
「三郎……。うん、俺もだ」

くしゃりと顔を崩して笑うと三郎も柔らかな笑みを乗せていた。
言葉より行動で示すのがどうにも三郎らしくて声を上げて笑いたかったが我慢して、落ちてきた触れるだけの口付けを受け入れて目を瞑った。
でもやっぱりもう一度だけ言っておきたい。

「三郎、好きだ」
「私もハチが好きだ」

すぐに帰って来た言葉に二人で笑みを描いて見つめ合った。



end

鉢月八日おめでとうございます!!!
末永くお幸せに!!!!

甘々な二人を書こうといっちょ飛び込んでみましたが見事に着地に失敗致しました…(´□`;)アーア


鉢竹大好き!!
マジジャスティス!!!

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