06/03の日記

23:11
鉢竹
---------------


寝起きの気分は余り良いものじゃなかった。
頭も体も倦怠感が強く、昨日の事を思い出して納得する。

昨日は五年全体で大きな課題を成し遂げられた祝いとして皆で酒飲みをしたのだ。
全員大きな怪我もなく終えることができて、少し羽目を外し過ぎたらしい。
だるい体を叱咤してまず自分の顔の変装を確認する。
どうやら幾ら飲みすぎたとしても、変装を解くという馬鹿な行為はしなかったようで、指から伝わる感触に安堵して横を見て映った光景に体が固まった。

「…………ハ、チ…?」

横で寝ているのは同級で同じ組の竹谷八左ヱ門だった。
飲み過ぎて皆で雑魚寝してしまったのならこんなに驚かない。
私と一緒にこの部屋にいるのはハチだけで、それもハチは辛うじて肩衣を着ているだけで他は何も着ていない状態だった。
そしてどうやら私はもっとひどい状態で寝てしまったようだ。
布一枚纏っていない姿で寝てしまったらしい、どうりで涼しい訳だ。
だがどういうことだろうか、ハチと同じ布団で寝てるのは。


いやいやいやいやないないないない。
下も真っ裸ではあるし、妙に下半身が重いがそんなことある筈がない。
布団の周りに散らかった捨て紙とか、脱がれた服の散乱っぷりとか気のせいだ。
ハチの見える肌色に見える赤い痣とかもきっとあいつの委員会で飼っている虫に刺されたとかそんなのだろう。
起きたら注意しよう、学級委員長として!

うんだから、ハチとはなにもなかった。
ぜったいなにもなかった。

「…ぅ、んっ…」
「……っ!!」

別に反応してない。
ハチの妙に艶めいた声に反応した訳じゃない。
起きそうになっている状況に焦っただけだ!いや焦ってもいないけど!!
疼く下半身を無視して言い訳をしている私の前で、ハチの体が寝返りを打ってこっちを向いた。

普段なら馬鹿面を引っ叩いて起こすところなのに今日の私はおかしい、この馬鹿面を一瞬可愛いと思ってしまった。
悔しさを込めて寝こけているハチの鼻を強く摘まむ。
眉を寄せて嫌がるように首を振るが放さずにいると、苦しそうに藻掻いて淡黒色の目を開ける。

「ようハチ。おはよう」
「…さぶろう?あれ?俺、何でここで寝てんだ!?」

半身を起して顔を顰めたあと、きょろきょろと周りを見て不思議そうな顔をする。
私は平静を装えただろうか。
強張る頬を何とか隠して笑みを張り付ける下では、心臓までもおかしくなってしまったのかハチのころころ変わる表情に運動を早めている。



end

夜に何があったんですかね(^ω^)
ただの友人かーらーのー鉢竹に繋がっていくのも好きです。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ