綾タカ

□穴を掘る理由
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なんか、綾部泣かすの2回目ですよね。
前は雨の中。
今度は土の中。

上手く文が纏められなかったけど。

だって幾ら忍者の勉強をしているとはいえ、13歳だもん。
泣いたっていいよね。
って事で泣かせてみた( ´Å`#)


タカ丸出てないですけど許して下さい。
綾部は自分の中で溜めこみそう、気持ちを。
そんで溢れて制御出来なくなる前に、穴を掘って想いを埋める。

という流れだったんだ!!
分かりずらいでしょうけど…(°×°;)







ハッピーエンド主義者はどうしたんだ!!
の、おまけ。
四年生


「ありえないです」

不機嫌そうに口を尖らせた綾部は目の前の人物の表情を見て、表情を再び無へと戻す。

「…ご、ごめんね。気持ち悪いよね、こんなの」

先程まで顔を赤くしていたタカ丸は、綾部の言葉に顔色を蒼白にして俯いた。
なんとか涙を堪えて下を向いていると、手首を掴まれる。


「手伝ってください」

「えっ!?あ、あのっ綾部君??」

手首を引かれて歩かされ、タカ丸は自分の前を足早に歩く綾部を見るが綾部が振り返る事はない。
急ぎ足で向かった先は綾部の部屋で、無言で扉を開けた先には滝夜叉丸と、珍しく三木ヱ門の姿がある。

驚いた様に此方に顔を向ける二人に、綾部は一言告げた。

「二人とも手伝って」

そう言うだけ言って、体を反転させるとタカ丸の手を掴んだまま再び歩き出す。
必然的にそれに引かれる様になったタカ丸は、綾部と滝夜叉丸達を交互に見るが滝夜叉丸達とは遠ざかってしまう。
数秒して慌てて追って来た二人に状況を聞かれるのだが、タカ丸に答えられる筈がなかった。


「おい、喜八郎!どういうつもりだ?」

「いい加減タカ丸さんを離してやれ。歩きにくそうだぞ」

「…着いた」

滝夜叉丸と三木ヱ門の言葉はどうやら聞かなかった事にしたようで、立ち止まる。
綾部の止まった場所に三人が目を向けるが、そこにはただ地面があるだけだ。

「掘るの手伝って」

差し出されたのは何処から取り出したか分からない三本の鍬で、もう片方の手には愛用の鍬を握っている。
渡される、もとい無理矢理握らされた鍬を見下ろして三人が頭に疑問符を浮かべていると、綾部はある一点を掘りだした。


「掘るって、何か入ってるのか?」

「説明しろ!喜八郎!!」

「あの…、綾部君?」

三人が何時まで経っても作業に入らないので、其方を見ると掘り続ける手は止めないで、仕方がないと言った体で説明をする。

「さっき、タカ丸さんに告白されたんだ。でもここに全部埋めたから、掘り出さないと」

おおよそ説明になってない説明を終えると綾部は掘る作業に専念する。
滝夜叉丸と三木ヱ門は何に驚いていいやらでタカ丸を見ると、顔を真っ赤にしたタカ丸と目が合う。

「えっと…あの……」

目を彷徨わせるタカ丸に、滝夜叉丸と三木ヱ門は笑顔を向ける。

「想いは個人の自由ですよ、タカ丸さん」

「何故よりによって喜八郎なんですか…」

気分を害したようではなくて、それに安心して笑顔になるとタカ丸は綾部を見る。
一心不乱に土に鍬を突き立てる綾部に、手にしていた鍬を握ると掘るのを手伝う。
同じく掘るのを手伝い始め滝夜叉丸と三木ヱ門は、今度は綾部へと言葉を向ける。

「何故私がこのような事をせねばならんのだ!!」

「せめて何を掘り返そうとしているのか説明しろ」

二人の言葉にちらりとタカ丸へ視線を向けた綾部は、必死に土を掘り返している横顔を見つめてぽつりと零した。

「私の想いを全部ここに埋めたんだ」

だから掘り返さないと、そう言った綾部の言葉は滝夜叉丸と三木ヱ門にしか届かなかったみたいだが、四年近く一緒にいる二人にはそれだけで十分伝わった。
滝夜叉丸が三木ヱ門に、三木ヱ門が滝夜叉丸に一度視線を合わせるとどちらからともなく唇に笑みを描く。
そして同時に言葉を発した。



「「貸し1つだからな!」」








「友達でしょ。タダにして」

「貴様には迷惑を掛けられっぱなしだからな無理だ」

「…じゃあ結果的にタカ丸さんにも貸し1つだよね」

「タカ丸さんは別だ!」

「何それー差別だー」

「煩い!喜八郎、何処まで掘るんだ!?」

「もっともっと」

「ねぇ綾部君。どんな形してる物なの?」

「かたち…こころ?」

「えーっと、ハート型って事でいいのかな?」

「いえタカ丸さん。喜八郎の言葉を真に受けないでください」

「あいつが此処までって所まで掘ればいいんですよ」

「そうなの?なんか宝探しみたいでたのしいねっ!!」

「…タカ丸さん、ここ掘り終わったら返事しますね」

「へっ?う、うん。……ねぇ綾部君、何が埋まってるのか聞いていい?」

「宝物ですよ」





end

タカ丸から告白されて掘り返す綾部。
否応なしに、道連れになる滝と三木。

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