現パロ

□教師と生徒とお隣さん
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教師と生徒とお隣さん
鉢竹 お隣




「…っ、やめ、……先生っ!」

身体を捩り、触れてくる指から逃げるけれど、その手は執拗に追って来る。
狭い空間での逃げ道などほぼなく、捕えられた指に唇を撫でられて身体がふるりと震えてしまう。

「竹谷、誘ってるのか?」

「ちがっ!…っ先生が、」

抗議をしようと相手を見上げてしまったのがいけない。
整った顔に普段授業では見られない笑みが浮かんでいて、竹谷は顔を逸らして俯く。
それでもこの至近距離、赤くなった頬と耳は見られているだろうが。


この場所にいるのはまずいと、どうにか逃げ道を探しては見るけれどドアは相手の背側だし、窓は三階なので跳び出す訳にはいかない。
その前に目の前で道を塞ぐ男をどうにかしなければならないのだが、竹谷は女、どう頑張っても力では勝てない。
うろうろと視線を彷徨わせていると、唇や頬を撫ぜていた指が顎に掛かり上を向かされて固定される。


「どこを向いても、私から逃げられる訳ないだろう」

「は、鉢屋先生…。ここは、学校ですっ」

視線さえ逃げられなくなったので、相手を見上げてきっと視線を合わせると笑われた。

「知っているよ?」

「…っ!」

だから何だとの顔を向けられて、竹谷は言葉を詰まらせた。
ここは学校で、放課後の化学準備室で、教師が生徒に誰がどう見ても迫っている体勢で、何故その言葉が出てくるのか分からない。

竹谷とて鉢屋が嫌いという訳ではないのだ。
しかし自分は生徒、学校という場所もあり、どうしても此れはいけないことなのだと頭が警鐘を鳴らす。


「…誰かに見られたら、……どうするんですか」

「二人共学校を辞めることになるなぁ」

面白そうに笑いながら声だけは困った様に言葉を発する鉢屋を竹谷は今度こそ睨んだ。

「私はっ、…悪くありません!」

まだ入学して一ヶ月、どうして辞めなければならないのだ。
三年間の華々しい学園生活を楽しみにしていたというのに、こんなのはあんまりだと竹谷はついに涙を浮かべた。


「…っ」

零れそうになる涙を指で掬われて、それを舐められる。
鉢屋は竹谷が泣いたところで、拘束を弱めることも逃げられる様に体を退かす事もなかったが、触れる指は優しかった。

「竹谷が悪いんだよ?」

「なっ、んで…」

ひくっと喉が鳴り声が上ずる。
悔しくて、竹谷を拘束する為に掴んでいた鉢屋の手をぎゅっと握る。
すると何故だか、鉢屋に溜め息をつかれた。

「そういうのが、私を煽るんだっ」

「ぅんっ!?」

乱暴に口付けられて胸を叩いて抗議するが、鉢屋は止める気はないらしい。
寧ろ、息を吸う為に薄く開けた口に舌を入れられて口内を侵される。
ずり落ちそうになる身体を鉢屋の腕に支えられている事にも気付かず、竹谷はそのキスを受けることしかできなかった。






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