現パロ

*代えの利くものと利かないもの
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代えの利くものと利かないもの
鉢竹 兄弟パロ





「ぅぁああああぁぁっ……」

一杯に目を見開いてその瞳に溜っていた涙は衝撃で頬に流れてしまった。
短い息を何度も繰り返して、痛みや圧迫感を和らげようとしているハチに口付けを落とす。

「…んっ、さ、ぶろー」

今だ苦しいだろうに私と目を合わせると熱を帯びた瞳が揺らめいた。
ぎゅっと私の首に抱きついて肩口へと顔をすり寄せたハチの頭を軽く撫でて、少し緩んだ身体にもう一度私自身を押し入れると先よりも更に奥へ入る。


私に寄り掛かっていたハチを、手は首に回させたままで壁へと押し付けた。
これでハチを支えているのは背にあたる壁と私と繋がっている部分だけだ。
何回もしているこの行為だが立ってするのは初めてで、何時もと違う感じにハチが少しだけ辛そうではある。

この体勢にハチが慣れるまで私は動かないことにして、改めてじっくりとハチの姿を見る。
何時もと同様に目元をうっすら赤く染めて熱に浮かされた瞳を潤ませながら、快感の波に耐えている表情は私の好きな表情の一つだ。
でも今はそこではなくハチの姿を飾る装飾へと目を遣った。


ハチの元々の髪色と少し似たシルバーの偽りの髪は、癖のあるハチの髪に代わって真っ直ぐに流れ背中の中程まで伸びている。
頭の頂上付近はヘッドドレスで飾られており、ストレートのウイッグと相俟ってハチを少しだけ大人に彩っていた。
ハチの髪と違ってすんなりと梳く事のできる髪に指を通していると、ハチが私の手を掴んで見上げてくる。


「三郎…怒ってる……?」

「…いや」

「だって俺、…邪魔したし」

不安そうに揺らす瞳に見上げられてどくりと胸が波立つ。
無意識に私を誘惑するハチに息を吐き出すと、ハチの体がびくりと跳ねた。

「ご、ごめ」

「あー違う違う」

勘違いをしたハチが更に瞳を潤ませて謝ろうとするのを遮ってその後頭部に手を遣ると私の方へ寄せて唇を合わせた。


「ぅんっ、…はぁ……ぁ」

キスをして、唇に何度か軽く甘噛みするとハチの口から小さく息が漏れた。
唇を端から端までゆっくりとキスをしてなぞると、物足りないと強請る瞳が私を見ていてそれに私も笑みを向ける。

敢えてその強請りには応えずに柔らかいキスだけを唇に繰り返す。
するとハチは顔を逸らして私のキスから逃れようとしていて、その手に目を向けると自分の服をぎゅっと両手で握っていた。
私を受け入れている所も何かを訴えるように収縮して私を締め付ける。


伏せた瞳に涙が浮かんできて零れそうだがハチはそれを懸命に堪えていていじらしい。
服を握る手が震えていて、ふんわりとしたスカートに皺が付きそうなのでその手にそっと触れると大人しくスカートから離れた。
手を離すとフリルのついた真っ白なエプロンも共に揺れた。

真っ直ぐなサラサラの長い髪にヘッドドレス、真っ白のフリル付きのエプロンに袖口の閉まったふんわりと広がる真っ黒のワンピースを着たハチの姿は誰が見てもメイドだ。
ただ本職とは異なって、短いスカートからは焼けていない白い肌が覗き、本来焼けた肌が見える辺りからは黒の二ーハイに覆われて隠れている。

それがまた普段のハチとは違っていて、胸と欲望が疼いた。
伏せている目の近くに唇を落とすとハチが見上げてきて、上を向いた唇に勢いよく口付けるとハチの太腿を掴んで上下に揺すった。
ハチの声は私の口で塞いでしまって、突然の事に溜めていた涙を頬へと零したハチを見つめた。







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