現パロ
□*愛される為に利用する
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愛される為に利用する
鉢竹 兄弟
※事後表現あり注意
絶頂を迎えたハチは一際高い声を上げて射精をすると、ことりと動かなくなる。
意識を失う寸前、私を見て微笑んで手を伸ばしていたがそれは私までは届かずにベットへと落ちていく。
その手が無性に愛おしくなって、意識のないハチの手を握った。
「ハチ」
心の中で小さく謝って、手の甲に口付ける。
それでも私はハチとしたことに後悔はなく、ただ微かに胸中に漂う罪悪感に苦しくなる。
私はハチの勘違いを利用して嘘をついている。
中にある性器を引き抜くと、どろりと私の放ったものも一緒に流れ出る。
「…ん……」
その感触に意識を手放しているハチが微かに声を漏らした。
見渡して、ティッシュ箱を手に取るとハチの中から流れ出たそれを拭きとる。
序にと入口の様子を見てみるが、大分腫れぼったくなってはいたが切れてはいなかった。
血は出なかったようでそれに安心した。
最中はハチを気遣う余裕なんて私にはなくて、痛いと言っていたから傷付けたのかとも思っていたが。
明日からハチに苦労させることはないようだ。
シーツは汗や微かに飛び散った性液で皺になっていたが、今日一日寝られないほどではない。
どうせ明日の朝洗えばいいんだし、と其方は拭わずにハチの後ろの穴にもう一度指を入れる。
中に放った私自身の白濁を掻き出した。
ん、とハチが再び小さな声を漏らすが起きることはなく、少しだけ眉を潜ませただけだった。
汗に湿った灰褐色の前髪をかき上げると口付けを落として身を起しハチから離れると、私自身の処理をする為にティッシュに手を伸ばした。
ハチの身体を拭く為に一度浴室まで降りると、お湯で洗ったタオルを手に持ってハチの部屋へと戻る。
そのタオルで寝ているハチの身体を綺麗に拭き清めた。
床に放り出したパジャマを着せて、狭いベットの中ハチの横に寝転がった。
今日はもう此処で寝て明日の朝早くに自室へと戻れは大丈夫だろう、誰にも気付かれない。
「馬鹿だなぁ、私」
ハチの小さな体を抱きしめて呟く。
こんな事をしてもハチの心が手に入る訳じゃないことは十分に分かっていた。
まだ子供のハチは私にされた事の意味すら分からないだろう。
ただ、あの時。
『嫌いにならないで!何でもするからっ、好きになって三郎兄ちゃん!!』
珍しくも涙を浮かべて言ったハチの言葉に、私の欲望は負けてしまった。
ハチにしたら家族としての愛情を注いでほしいとの事だったのだろう、私の今までの態度は自分でも冷たいものだったと思うし。
兄としての愛情を求めるハチに、私は男としての愛情を注いだのだ。
「…ふぅ」
柄にもなく溜め息を漏らして、ハチの首筋に顔を埋める。
息を吸うと、子供特有の甘い匂いと汗の匂い、それと性液の匂いと微かに私匂いが混じっていた。
それだけで一時でもハチが私のものになった様で、首に吸いつくと赤い痕をつける。
この時だけの、所有者の証。
赤の証を見て少しだけ満たされた。
目を瞑ってもう一度ハチを抱きしめ直す。
さて、どうすればこの関係を続けられるだろうか。
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