頂*捧*企

□お隣さんで、竹谷のことが好きな男の子がいてその事があからさまにわかるからイライラ(モヤモヤ)する鉢屋と鉢屋に近づいている女性(大学の頃のでも新人先生でもいい)にドキドキソワソワイライラする竹谷
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【お隣さんで、竹谷のことが好きな男の子がいてその事があからさまにわかるからイライラ(モヤモヤ)する鉢屋と鉢屋に近づいている女性(大学の頃のでも新人先生でもいい)にドキドキソワソワイライラする竹谷】
鉢にょ竹



「おい竹谷!臨時の教師今日来るんだってよ!」

と男子の声がして振り向けば、クラスメイトの一人がやや興奮気味に近づいて来た。
それにふぅんと気のない返事をして携帯に視線を戻せば、竹谷の前の席の雷蔵がその男子生徒に聞き返す。

「臨時って、国語の?でも僕達には関係ないんじゃないの?確か産休で休んでる先生の担当は隣のクラスだよね」

「まあ、直接は関係ねぇけどよ……かなり、美人らしいぞ!!」

「そうなんだ」

「それに若いんだとよ!!」

段々とヒートアップするクラスメイトに竹谷が男子って本当にそうゆうの好きだよなと呆れた目をしている横で雷蔵も押され気味ながらもそうなんだと頷く。
余り興味の無さそうな二人に何だよもっと盛り上がろーぜと熱く言ってくるが、そもそも自分のクラスに関係ないのならば特に興味の湧かない二人には伝わらなかった。

「で、その美人な先生お前見たの?」

「見てはいない。偵察隊から聞いただけだ!」

竹谷が呆れたまま問うたら、言葉が返って来たことが嬉しいのか急に笑顔になった男子生徒がずいっと竹谷に近寄る。
身を引かせてじゃぁ分からないじゃんと言えば、その真偽を確かめるのも楽しみの一つだと言った男子生徒にやっぱり馬鹿だなぁと竹谷は思って呆れた半眼で男子生徒を眺めた。

「まぁ僕達も会うことぐらいはあるだろうから、噂が本当かその時見とくよ」

そう言って区切りをつけた雷蔵にまだ語り足りなさそうな男子生徒が言葉を続けようとしたが、予鈴が鳴ったので慌てて席へと戻って行った。
今日は彼の出席番号の日で授業では殆ど当てられるからだ。
騒がしいのがいなくなって雷蔵と視線を交わした竹谷が苦笑して肩を竦める。
それに雷蔵もやれやれと息を吐いたのだった。




「そんな訳で、勉強の為に此方でもお世話になります」

そう言って頭を下げた女性教師は、自己紹介の時の凛とした表情を崩して微笑んだ。
清らかな雰囲気からふんわりと可愛らしく、雰囲気のがらりと変わった笑顔にクラスの大半の男子の興味が引っ張られたのが分かる。
竹谷はちらりと女性教諭の横に並ぶ鉢屋に目を遣るが、その表情に変化はない。
その態度に少しだけ安堵して息を吐くと、臨時の期間、このクラスも受け持つことになった女性教諭へと視線を戻した。

「よろしくお願いします」

可愛らしい笑顔のまま心地よい声音で言う女性教諭は噂に違わぬ、竹谷の予想を超えた綺麗な人だった。
そんな綺麗な人が、竹谷へと爆弾を落としてくれたのだ。

「それじゃぁ鉢屋君……あっ!」

鉢屋へと振り向いた女性教諭の言葉にクラス内がざわつく。
竹谷も大きく目を見開いて、いけない、と口に手を当てている女性教諭を見る。
そこで女性教諭を紹介したまま黙っていた鉢屋が鼻で息を吐くと、仕方ないといった雰囲気で話出した。

「この先生とは大学の同期なんだ。皆も仲良くしてあげてね」

にこり、と邪気のない笑みで鉢屋が言えば、今度は女子からも女性教諭は興味を集めることとなった。
しかし竹谷はそれよりも、猫を被った鉢屋の喋り方に眉根を寄せた女性教諭の態度が気になる。
それではまるで、本来の鉢屋三郎を知っているようではないか、と。





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