頂*捧*企

□双忍竹or過保護並みに竹谷溺愛
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2万打リクエスト企画
【双忍竹or過保護並みに竹谷溺愛】
※い組もろ組もひどいキャラ崩壊



べったりと両脇にくっ付く二人とそれを気にせずに自分の事に没頭している一人。

毎日の光景である。
毎日の光景であるのは分かっているのである。
それでも、受け入れられないというかなんだかよく分からない感情が浮かんできて、勘右衛門は溜め息を吐いた。
ほぼ同時くらいに横でも溜め息が吐かれそちらを見れば兵助が勘右衛門と同じく呆れたのを通り越して何とも言えない表情を浮かべていて、二人は互いに苦笑いで互いを見つめた。

苦労するな。

言葉にせずとも二人は通じあったのだった。
死んだ魚の様な目で互いを励まし合う二人に、渦中の人物それもど真ん中にいる人物が机を挟んで二人に声をかけた。
その瞬間に突き刺さる二つの殺気に勘右衛門と兵助は震えあがる。

「なぁ、今日どうする?皆放課後空いてんだろ?どっか行こうぜっ!最近兵助と勘右衛門と一緒に出かけてないから、俺、一緒に遊びたい!!」

なんて満面の笑みを浮かべる竹谷とは対称に勘右衛門と兵助は顔を青くして冷や汗が止まらない。
八左ヱ門の両側から先より増して放たれる殺気に何故気づかないのだ!と兵助が思ったところで言葉にしたら確実に命は終了してしまうので言えはしない。
ちょっと危機感をもっと持とうよ八左ヱ門忍たまとしてどうなの!と勘右衛門が思ったところで兵助と結果は同じである。

「おい、聞いてるか?勘右衛門、兵助!」

首をかしげる動作をして喋れず動けずにいる勘右衛門と兵助に竹谷は問いかける。
と同時にがたんと音を立てて竹谷の両脇にいた二人が立ちあがった。
い組の二人はびくりと大きく肩を震わせた。
どちらかからかヒッと悲鳴のようなものも聞こえた気がしたのだが、次に発せられた低く重さを纏った言葉に全て掻き消される。


「なに?二人も来るの…?」


ずんっと全身に圧を掛けられた様な、否、掛けられている声に二人は否定することもできなくて固まった。
そんな勘右衛門と兵助に、発声者である雷蔵がにこりと笑みを浮かべる。
にっこりではなくにこりであるところが怖い、そして醸し出される空気もどす黒くて怖い。
カタカタと震え出すい組み二人に、雷蔵と同じ顔を模した者から追い打ちの声が掛かる。
その声は恐ろしいほど雷蔵と同じ音の響きであった。


「え、なに?い組は私達の敵に回るって事?なら私達もそれなりの対応をしようか」


これまた顔を拝借した人物と同じにこりとした笑みを浮かべて最後の方の声はもう三郎本来の声だよねとか頭の片隅に思っても決して言ってはいけない。
手にはお得意の武器まで持ち眼光を鋭く細ませてくる三郎は、もう雷蔵に似せる気はないらしい。
怖い怖いと心中で言って震える二人に救世主ともいえ又悪魔が動き出す原因の人物からの言葉は二人にとって命を握るものであるのは間違いなかった。

「何だよ三郎、雷蔵。敵とか一緒に行くの嫌みたいなこと言うなよっ。勘右衛門も兵助も俺達の仲間だろ!友達は大切にしなきゃいけないんだぞ!!」

三郎と雷蔵の醸し出す雰囲気には気付いていないのか、竹谷は少しだけ頬を膨らましまるで子供や動物が粗相をした時と同じ感じでめっ!と諌めた。
瞬間、場の空気が変わった。
暗く冷たく威圧感たっぷりだった空間がほわんと明るくなる。
その原因は先程まで級友に向けるものではない本気の殺気を出していた二人からで。


「ハ、ハチに怒られたぁぁぁぁぁああああ!!可愛いいぃ!めっ、とか可愛いよぉっ!!流石僕の天使っっ!!」

「し、仕方がないから二人も連れて行ってやる。別にハチの為とかじゃなくてだな私が丁度勘右衛門に委員会での備品を買うから意見をもらいたいのと兵助はまぁ豆腐屋とかになった時用に色々聞いて店の紹介をしてもらいたいからで決してハチの為じゃなくてだな私はハチと一緒に行くのが中止になったり私達だけ連れて行ってもらえないとか心配している訳ではなくてだなハチの意見なんて私が受け入れた訳じゃなくて私が優しいから二人も荷物持ちにくらいついて来てもいいってだけで絶対ハチの為じゃないんだからなっ!!!」
『うわぁぁぁぁぁぁぁ頬膨らませて怒ったハチ可愛いぃぃぃぃよぉぉぉぉぉぉぉっ!!天使とか流石雷蔵言い得て妙すぎる!!!天使天使天使えんじぇううううううううううううううううううううううううううううぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁハチの怒った顔私の脳内に永久保存するぅぅ!!!……てかい組、まじ果てろ。そしてハチの寛大さに感謝して敬って足を舐めろいややっぱハチが汚れるからやめろ。ハチ可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いたべたい』


勘右衛門と兵助は泣きたかった。
竹谷は菩薩の様な笑顔で三郎と雷蔵を見ているし、雷蔵はにやけた顔を真っ赤にしてそれを両掌で隠してごろごろごろごろごつんごろごろごろごろごつんと部屋中を転げまわっているしその間奇声を上げ続けているし、三郎はノンブレスでツンデレて同時に前にい組ろ組で小隊を組んだ時に使った矢羽根でデレと毒を強制的に聞かせてくるとかどっから音出してんのお前と器用とおり越して怖いことしてるし、しかも何故その音に同じ小隊にいた竹谷が気付かないんだとか声を大にして言いたいけれど、取りあえずまずは泣きたかった。
恐怖とは別の意味で震え出した二人の両手をぎゅっと握る者がいた。


「へへっ。ずっと遊べなかったから二人が一緒に来てくれれば嬉しいな、俺」

天然炸裂でふにゃりとした笑みを竹谷に向けられた勘右衛門と兵助は思わず頷いてしまった。
あ、と思った時にはもう遅く、先程まで奇声やら矢羽根やらを発していた音が止まり部屋は静寂へと還る。
ぞわりとした感覚が全身を包み再び緊張を強いられたい組二人の心境を余所に、竹谷は徐に立ち上がると笑顔で手を挙げた。

「俺、皆の分の外出届だしてくるなっ!!」

嬉しそうに笑って言う竹谷を止めようと伸ばした手は直後に笑顔で部屋を飛び出して行った竹谷に届かなくて、逆に冷たい手に握られてしまう。
勘右衛門には三郎の手が絡み、兵助には雷蔵の手が絡む。
ぐぐっと力を込められて手首が反対の方を向きそれを何とか力で押し返してはいるのだが、どうして竹谷に関することには馬鹿力を発揮するのか手は全く前へとは進まない。
完全に折に来ている二人から下がろうとするが体は恐怖で硬直しているし、視線をそらしたらもっと酷いことをされそうだしと勘右衛門と兵助に動く道はない。


「ねぇ、兵助」

「なななななんだ?らら雷蔵」

「…怪我をしたら、一緒に行けなくなるかなぁ?」

ひやりと冷たい手と同じ冷たい声と瞳で雷蔵は兵助へと語りかける。
その言葉に兵助が顔を豆腐のように白くさせたが、雷蔵を止めたのは三郎だった。

「でも雷蔵、それじゃハチが悲しむぞ?」

「……邪魔するのはいけないことなんだよ?三郎」

「だから、要は邪魔させなければいいんだろ。…なぁ勘右衛門?」

賢いお前ならわかるだろうと微笑を浮かべて見た三郎だが勘右衛門の手を握る手は弱まらず寧ろ強くなった。
爪まで食い込んできて皮膚を裂く。
痛みに顔を顰めて、勘右衛門は震える声で三郎に答えた。

「う、後ろから、着いていく。…絶対、お前達の視界には入らない。……八左ヱ門には絶対に気付かせない…」

「そうだ、良くできたな。…兵助は?」

「わ、分かった」

「偉いぞ二人とも」

無邪気な笑顔で二人の頭を撫でて三郎はその場から手を離した。


「くれぐれも私と雷蔵とハチの邪魔をするなよ」


にっこりと同じ顔が同じ時に笑った。






二人占め




end

最後ヤンデレ、てない!!!
セフですねはいおっけぇぇぇぇ!!

私の考える溺愛竹谷はこんな感じです。
恋慕じゃなくて思慕かなぁと双忍は。

そんでこの話での力関係はですね。
竹谷だい>>>>>>越えられない壁>>>>>>三郎、雷蔵>>竹谷の飼う動物>>>>>>>>>>>>>越えられない壁>>>>>ミジンコ>>>>>>>い組
です!!

もう今回は、全力で土下座しても許されないと思うので謝りますん。
どっちだ!!てか、はっちゃけたかったのさ!!

ほんとはね、甲斐甲斐しく世話を焼きながら絶対に竹谷からは離れようとしない双忍に呆れるい組二人って思っていました。
そんな時代が私にもありました



→双忍竹にチャレンジ☆
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