頂*捧*企

□三郎の事が大好きで委員会や委員長仕事で疲れている彼を癒してあげたくて奮闘している健気な八
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2万打リクエスト企画
【三郎の事が大好きで委員会や委員長仕事で疲れている彼を癒してあげたくて奮闘している健気な八】



最近、痩せた?と三郎に聞いたら嫌な顔をされた。
あ?と聞き返す声は低くてどうやら怒らせたらしいと、竹谷はそのまま三郎を観察する。
変装越しにも三郎の疲れが見て取れるのは竹谷が何時も一緒にいるからという訳ではなく、今の三郎を見れば誰でもわかるくらいにはやつれていた。

只でさえ細い体は、食も細くなるにつれて体も同じく痩せていく。
今も一緒に定食を食べているが、竹谷に比べて明らかに箸の進み具合は遅い。
三郎の隣にいる雷蔵も心配そうに見ている。


「なぁ本当に手伝えることはないのか?」

「そうだよ!雑用でも何でも僕たちやるよ?」

「一人で大丈夫だ」

竹谷と雷蔵が言い募ってもその一言で一蹴されてしまうのは最近の日課のようになってきている。
見るからに大丈夫そうに見えないから言っているのに。
更に言い募ろうとして身を乗り出した二人に、三郎は自分の前にあった膳を二人へと差し出す。
その膳には半分以上料理が残っていた。

「私もういらないから、二人が食べてくれ。あと雷蔵、今日も遅くなる」

席を立ちあがり歩きながら向けられた言葉に何かをいう前に三郎は食堂から出て行ってしまった。
顔色は悪いのに足取りはしっかりしているのが不自然で、竹谷の中の心配は増していくばかりだった。

「…大丈夫じゃねぇだろ」

「僕達って、そんなに頼りないのかな…」

「んなことねーって!耐えられなくなったら三郎も頼ってくるだろうから、何時でも大丈夫なように準備しとこうぜ!」

落ち込む雷蔵の頭を軽く叩いて撫でる。
小さく頷く雷蔵の気持ちが竹谷は分からなくはない。
相手は三郎である、溜め込んだら中々竹谷と雷蔵にさえ話してくれなくて、それで限界が超えるとぶっ倒れるのが年に一回はある。

それも丁度今の様な、学期末の時期に。

学級委員長として学期末の課題の提出や諸々の管理に加え自身の勉強もあり、更に委員会では試験や各委員会で上げられた決算報告書や始末書等の確認があって多忙なのだ。
だからこそ、生活面や学業面での手伝いくらいは竹谷も雷蔵もできるというのに相手がそれを頼むことはない。
どうすればいいかと悩みだした雷蔵を見ながら、残された料理に手をつけて竹谷もどうすれば支えられるかせめて気の抜ける場所を作ってやれるかと考えた。






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