その他
□絢子×光太
1ページ/1ページ
今俺の隣には、絢子がいる。
『わぁ、また負けた!』
『はっはっは。俺に勝とうなんて百万年はやいんだよ。』
なんたって、俺はこのゲーム練習しまくったからな。お前に勝つために。
『百万年後なんて、光太も私も生きてませんー。』
『だから、つまりは絢子は俺に一生勝てないってこと。』
負けず嫌いな君は、勝つまで俺に勝負を挑むだろう。勝つまで、俺に会いに来てくれるだろう。一生。
『むぅ。絶対勝つもん。もう一回!』
『何回やっても同じだよ。きっと俺が勝つ、きっと、一生ね。』
でも、いつかこのゲームにも飽きる日が来る。俺の隣に君がいないときが来るだろう。君の未来に、俺はいるのだろうか。
『五年かかっても、十年かかっても、たとえ五十年かかっても勝ってみせるから。』
そう言って、君は優しく笑う。驚きのあまり、絢子を見る。
五年後も、十年後も、五十年後も、俺の部屋に、俺の隣にいてくれるのか。君の人生に、俺は存在し続ける予定なのか。君の中に、俺は居座れるんだ。
嬉しさのあまり、君を見つめる。
『その勝負、受けて立つ。』
そう言って、笑うと、君が更に笑った。
ねぇ、今度また新しいゲームを買おう。このゲームに飽きたら、新しくまた、始めよう。
いつまでも、俺が隣で。
〈fin.〉