時夢の狭間・長編
□蔵馬夢・8
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次の日の朝も、蔵馬は同じ場所で待っていてくれた。
相変わらず、学校はザワついたままだ。
昨日、ゆっくり昼休みも過ごす事が出来なかった蔵馬とサキ。
今日は、周りの目から逃れて屋上の上に来る事に成功していた。
「やっと、静かになりましたね」
「うん」
子供っぽい笑顔を見せながら、蔵馬に微笑むサキ。
「前に、オレに“そっちの笑いかたの方がいい”って言った事、覚えてますか?サキ」
「え、うん」(蔵馬夢・3)
「かわいいよ、サキも。今の笑いかたの方が」
「え……///」
そんなに不自然な笑いかただったのかな…とサキが真剣に悩んでいるのを見て、蔵馬はくすくすと笑いながら言う。
「今、そう思ったんですよ」
「えぅ。あ……りがと///」
サキは下を向きながら、嬉しそうに笑った。
「サキ。あの場所を、オレ達の待ち合わせ場所にしましょうか?」
「……うんっ!」
サキは最高の笑顔を見せながら、嬉しそうに返事をした。
2人でお弁当も食べ終わり、幸せそうな会話の中で、蔵馬が言った。
「今度から、いつも一緒に行けますね」
――どこへでも――
蔵馬が、ふんわりとサキに微笑みかける。その瞬間――
†
さく……。
さく。