時夢の狭間・長編
□蔵馬夢・8
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ちゅん、ちゅん。
心地よい鳥のさえずりに、目を覚ます。
(そうか、昨日……私///)
蔵馬に告白された事を思い出し、サキは一気に目が覚めてしまった。
(付き合う事になったんだっけ……)
――なんだか……夢みたい。
そうサキは思いながら、顔を洗うため洗面所へと向かう。
――夢……みたい?――
台所に、朝食を作っているのだろう、母の背中が見える。
サキと同じ、青い髪をした……母。
(そういえば、最初もなんで青い髪?って思ったっけ)
サキは少し笑いながら、洗面所へと入り、扉をパタン、と閉めた。
……ミシッ――
サキの中心、心臓の辺りから、奇妙な音が聞こえた。
……何かに、ヒビの入る様な鈍い音。
「――何で私、そんな事思うんーッ!!!」
声が出ない程の激痛が、サキの体を支配していく。
(あ……当たり前だ。親子なんだから。……髪の色が似るのは普通だ)
私、何考えているんだろ。と、痛みに耐えながらサキは考える。
すると、体中に広がっていた激痛は嘘の様に治まった。