駄文置き場
□カタチ
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「…しくったな…」
最悪な目覚めとなった…。
この星に来て2週間、予想以上に苦戦を強いられ重傷に近い傷を負う羽目になったバーダック。
岩場の影に倒れ込むように身を潜めて丸2日。救援信号を発することなく、痛みに耐えていた。が、既に限界は目前だった。
(この星のヤツら…スカウターに戦闘数値が映らない…何故…)
ピピピッ…
発信音の後に聞こえてきたのは聞き慣れた声。
《父ちゃんっ!!》
鼓膜が痛くなる程の声のデカさに、カカロットらしさを感じバーダックは苦笑した。
《なに笑ってんだよっ!!》
声の主が息子だという安心感からか、緊張の糸が切れるのを体で感じた。
「何か用か…」
声の掠れを誤魔化すようにバーダックは返した。
《今、どこにいんだよ?》
「メイル星だ」
《ふ〜ん。どんな星なんだ?》
息子の問いに、岩場の隙間から見える街らしき場所に目を向けた。爆発音の中、焼け爛れたタワーが一際目立つ。
「街の中心にタワーがあるな…」
《・・へぇ〜・・・・》
バーダックのスカウターから同じタイミングで爆発音が耳に入る。
ピピピピピ・・・・・
警戒音の反応でバーダックはハッとなった。
「この数値…お前っ?!」
《今、迎えに行くからジッとしてろっ!!》
「ちょっ待てっ!!」