リアタイじゃないリアタイ
呟いたりとか、変なこと書いてみたり。
基本グダってます。
◆インスタントコーヒーの話
インスタントコーヒーの存在は、知識としては知っていても道也は作ったことは無かった。何せ、家には立派なコーヒーメーカーがあり、豆にこだわりを見せる母が、いつだって美味しいコーヒーを淹れてくれていたのだから。
「……何ていうかコレ、薄くない?」
インスタントに慣れ切っている彼方が作ったソレを口にしての第一声がこれだ。
味に対してこだわりがあるわけではないが、それでも今までこだわられたものを飲んできたからかブツブツと文句を口にしつつちびりちびりと飲んでいる。
その隣では遥がやはり苦笑しつつマグカップの中身を口にしている。
淹れた張本人である彼方は我関せずと言いたげに、ビンの中身を蓋に入れて量を調節している。二杯目を淹れるつもりらしい。
「あー、でもぬくいやコレ」
火に掛けられた薬缶から黙々と湯気が上がる。ぼんやりとそれを眺めながら、道也は握り締めたカップに再び口をつけた。
121212−
前に呟いていたネタです。冬真っ盛りの頃に書いていたのを加筆修正。
2013/05/29(Wed) 11:29
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