Chamber of Secrets

□31条
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こちらの時代に帰ってきた次の日、ホグワーツから手紙が届いた

「新しい教科書を買わなきゃね」

朝食のベーコンをつつきながらリーマスが言った

「ハリーたち、明日行くって」

「そうか…じゃあ今日行こう」

「えー?」

意外な返答に驚いた

しかし正直なところ今のテンションでハリーたちと再会を喜び会える気がしない

「親子水入らずを邪魔されたくないからね」

リーマスが少しすねたように言った

明るく振る舞っているけれど眉間には軽く谷が出来ている

きっと昨日からあまり元気のないわたしを気遣ってそう言ってくれているのだ

「ありがとう、リーマス…」

「なんでお礼を言うんだい?僕の独占欲だよ」

リーマスはわたしの頭を珍しくがしがし撫でた

「ぎゃー!」

せっかくとかした髪の毛がわしわしにされた

「そんな頭も可愛いよ」

「むー……」

にこっと笑ったリーマスにつられてへらっと笑ってしまった

「やっと笑ったね!」

「へ?」

「ん…なんでもないよ」


いい加減気持ちを切り替えなければいけないと痛感した

「くらえ!」

「あ、こらなぎ」

リーマスの鳶色の髪をわしわしと触りお返ししてやったぜ

リーマスは寝起きのような頭をしている

「そんなリーマスもかわいいよ!」

「お返しのお返しをさせてもらうね」

「ぎゃあ」

わたしたちは朝の時間をたっぷり使って散々じゃれ合った



「さぁ、そろそろダイアゴン横丁に行くよ」

リーマスは膝の上でじゃれていたわたしを持ち上げた

「おろせー!」

足をじたばたさせてもリーマスはびくともしない

「まだまだ小さいねぇ…」

リーマスは一生懸命じたじたしているわたしを見て吹き出した

「心配だな」

「過保護!」

「うーん…これが親バカってやつか…」

リーマスはわたしを立たせるとローブを羽織った

「はい、フルーパウダー」

「うん」

わたしとリーマスは暖炉の前に立った

夏なのに暖炉に火がつけられる


「ダイアゴン横丁!」


落ち込んでいた心はリーマスと鮮やかな街並みで躍動を取り戻した




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