出来損 番外

□27.5条
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「これは…なんの真似だ」

頭にカラフルな紙くずをのせたファンシーなセブルスが唸った

With the 岩のような顔


1月9日放課後 空き教室


「お、お誕生日おめでとう!」

恐怖で若干噛んでしまった

セブルスは私を睨んだ

「おめでとう、セブルス」

リーマスが穏やかな声で言った

「……」

セブルスは黙って頭にのったクラッカーの中身を払い落とした

「へッ、せっかく祝ってやってんだからもっと嬉しそうな顔しろよな」

シリウスが言った

「僕は祝ってくれなんて言ってない」

セブルスがアズカバンを脱獄した凶悪犯のような顔をしてシリウスに言い返した

「まぁまぁ誕生日なんだから、無礼講だよ!」

ジェームズが明るく言った

「後半が間違ってる気がするッ」

「とにかくなぎがケーキ作ってくれたんだから!」

リリーが言いい、

「私も手伝ったのよ」

イザベラが言った

「……お前らが作ったのか?」

セブルスがめちゃくちゃげっそりした顔になった

「大丈夫、ちゃんと太○胃散の胃薬持ってきたから」

「あ、僕下痢ス○ッパーがいい」

「お前は体内の毒で中和しろ、くそメガネッ」

「フグじゃあるまいし!!」

メガネを無視して私はケーキの箱を開けた

「…なかなか美味しそうじゃないか」

ケーキを見た掠れた声で後退りながらリーマスが言った

「ほら、スニベリー食えよ」

シリウスはケーキから0.5秒で目を反らした

ピーターは部屋の隅っこに移動し震えている

「…なんの罰ゲームだ?」

セブルスが真っ青な顔で呟いた

「ちょっと見た目は悪いけど…味は見た目よりはマシだよ(だぶん)」

私はケーキを切り、イザベラがお皿にのせた

「…どういう作り方をしたらケーキが糸をひくんだ?」

「黙秘権を行使します」

「おいッ答えろ!僕を毒殺する気か?!」

「せっかくなぎが作ってくれたのにそんな言い方ってないと思うわ!」

「り、リリー…」

「流石愛しのリリー!優しさに溢れてる!!」


「ちょっと待て、俺たちの分もあるのか?」

シリウスが唐突に言った

「もちろん」

バタバタと席を立ち始めた

「僕…すっごく急な用事を思い出した」

「僕も」

「俺も」

「逃げるな!」

「ほら、僕、朝ヤカンかけっぱなしで来ちゃったから止めなきゃ!吹き零れちゃう!!」

メガネが必死に叫んだ

「それはもう間に合わねぇよ!」

「…死なばもろとも」

そう言いながらセブルスがメガネのローブを椅子の足に縛りつけた

「嫌だぁああ」

「まだ死にたくない!!」

「毒を食らわば皿までッ」

「毒って認めたな!?俺は食わないぞ!!?こっちにそれを近づけるな!!うぁあああッ」




空き教室から聞こえた悲鳴に生徒たちは脅え、
その後その教室は“叫びの教室”と呼ばれるようになった




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