ダリア
□二度と元には戻れない
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「バカ名前…落ち着けっ」
「離っせぇ…」
言葉とは裏腹にきつく抱きしめる彼の腕に自分の体を預ける
どうして追ってきたの?
何で抱きしめてくれるの?
思うことは沢山あるのにそれよりも彼の…
久しぶりに感じる精市の体温が嬉しくて、離したくなくてぎゅうっと彼に抱きつく
「ごめっ、ごめんなさい」
あの時、ああするしか方法が無いと思った
大丈夫とか気休め何かよりずっとずっと、精市の為になるって
そんなの勝手な私の考えで結果精市を苦しめて
「ごめんなさいっ」
許されるなんて思ってない
思うわけ無い
けれど、ずっとずっとこの言葉が言いたくて
「ごめっ「もういい!」
大きな声がしてその瞬間口をふさがれた
「ふ…っ、んっ」
あの頃とは違う力強いキス
全てを包み込んでくれそうな…
そんなキスを何度もされて
「もう……いい、俺も弱くてごめん」
肩から頭の後ろに伸びた手が震えてる
力一杯抱き締めてくれてるのにどこか優しくて
まるで大事にしてくれてるような
そんな錯覚を覚えるくらい優しい包容
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