ダリア

□...知ってたぜ
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「…で、何しに来たの?」


しばらく待つものの注文する気が無いのかメニューすら見ない彼らに問いかける


「何しにって客だろぃ?」


「客なら何か頼んでよ」



水だけで何時間居る気だよ


「分からんかのぅ…名前に会いに来たって」



「……ぺてん師」



「マジで」



「……」




詐欺師のくせに真顔でそんな事言わないでよ…




「赤也に聞いてよぃ…顔見に来たってわけ」


「……暇人」


「おまっ!!……ったく、そんな顔して素直じゃねぇんだから」



そんな顔ってどんな顔よ!…って言いたかったけど安易に想像は出来る



だって



「泣くなよ」



目頭が熱くて


頬には雫が流れる感覚があるんだもん



「…っ、先輩」



「赤也、赤目ぇ」



「ッス!」




もう何話してるのか意味分かんない


分かんないのに


ティッシュで押さえる目からはまだまだ涙が溢れてきて



雅治やブン太の優しい顔が辛い


ツラいのに


バカみたいに嬉しい





「お前ら…バカッ」



「名前程じゃなか」


「独りで頑張り過ぎなんだよ…ばぁか」





本当はずっとこうして一緒に居たかった





...
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