ダリア
□再開…会いたくて会いたくなかった人
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「……失敗した」
黙って本屋に寄って真っ直ぐ帰れば良かったと後悔したのはあれから数時間後の今。
「まぁまぁ、そんなこと言わないで名前も飲んで飲んで〜」
隣で舌ったらずなしゃべり方をするのは、私をこの場に連れてきた張本人
「……合コンだって知ってたら来なかったのに」
そう…私が沙希に連れてこられたのは、こ洒落た居酒屋
中に入れば待ってましたと言わんばかりの空気を放つ男女達
着くなり乾杯をし、早数十分
綺麗にめかし込んできた女の子達の目は、とろんとして頬はほんのり赤みを帯びている
「みんなピッチ早すぎ…」
「名前ちゃんは強いんだね〜？」
女の子達にばかり気をとられていて
隣に来ていた人に気づかなかった
「あー…えっと、」
「俺田上真哉、真哉って呼んでよ」
「出会いに乾杯ー☆」なんて言いながらグラスに口をつけるこの人も既に真っ赤だ
何がそんなに楽しいのか、初対面ではしゃぐなど人見知りな私には理解できなくて
それどころかさっきから腰に回されてる腕に苛立ちを覚える
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