*シノグロッサム*

□家出
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「…で、怒鳴り散らしたあげく笹山さん(使用人)を撒いて家出して来たと?」



紅茶をゆっくり飲みながら私の話を聞いてくれる真(まこと)





「だって!!!
お父様達もお兄様も居ない今を狙って
無理矢理お見合いさせようとしたんだよ!?

しかも相手は外人…っ

余程、私を追い出したいとみえる」



ぎゅっとスカートの裾を掴む手に力が入る




「はあ―…、本当あんたのオバサンには困ったものね」



「おば様にとって、私は血も繋がらない厄介者なのよ」



私はお母さんの連れ子


おば様にしてみたら邪魔者で


何より財産を愛してる人だから

お父様の財産を狙ってる




「そのオバサンにも娘が居るんでしょ?
なんで娘と歳の近いアンタをイビれるんだか」



「その娘がいちいち私に対抗意識を持って絡んでくるのが一番の理由なんだろうさ」



物心ついたころから

"学力"."運動"

他にも競えるもの全てに対して対抗意識を燃やしてくる義理の従姉妹


そしてお兄様と私が勝つ度におば様の怒りは溜まる一方なんだ






「それで…
家出は良いけどどうする気?
オジサン達はまだ帰ってこないんでしょ?」



「考え中…お兄様も合宿で暫くは帰って来ないし」



建て直しとかで我が家で一緒に住むことになったおば様一家


おば様が唯一逆らわないのが、兄である私のお父様



でも今海外で仕事を進めてるから家にお父様が居ない今

全てを自由にしようとするおば様



唯一止められるお兄様も居なくて




(本家に…どうしよう)





...
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