*ファレノプシス*

□過去~yanagi~
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------柳sid-------------








去年の春



俺達は中学生2年生に進級した

男子テニス部にも新入部員が入り赤也も入部し、力量順と言うこともあり精市が部長、我々がレギュラーとして活気が溢れていた頃

一人の女がマネージャー希望として我が部に申し入れてきた…


それが、"木村杏"だ








元々マネージャーと言う立場には三浦果夏が居たから、当然断るつもりだったのだが



校長の姪だかで邪険に出来ないという、ただそれだけの理由で入部する事が決まった








はじめはしっかり…

それなりに働いてくれていたので、安心して俺らも練習に打ち込む事が出来ていた

しかし……夏の始めに地区大会を終えた辺りから、事態は起きた







部員達の私物が無くなり、木村杏が良く怪我をするようになっていた


怪我の原因を聞いても「何でもないです」の一点張り…


皆は真剣になっていたが、どうも俺は胡散臭く

心から心配出来なかった




なぜ、分かりやすく包帯を巻く?

それで"何でもないです"は、"心配して下さい"としか聞き取れない…






次第に盗まれるもの



木村のケガが大きなものに変わっていき、部員の中からは三浦果夏を疑う声まで聞こえてきていた




しかし、レギュラーは誰一人として疑わずに仲間を信じた



同じ部活仲間が盗みやイジメなんかしない………と



















けど











事は起こってしまった









秋口に差し掛かったいつも通りの部活日



大会も控えみんなが真剣に練習に励んでるとき、突如部室から悲鳴が聞こえ




部室に向かうと








水浸しになった木村杏が真っ赤になった頬を抑え震える中


仁王立ちで立ち尽くす三浦………





俺たちの姿を見つけた瞬間"助けて"と泣きついた木村に対し"謝れ"と怒鳴り声をあげた三浦









いったい何があったのかと聞く前に





駆けつけた下級生により三浦は非難され






俺が止める間もなく







三浦はイジメのターゲットにされていた








...
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