*ファレノプシス*
□感情
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勝手な…自己満足な行動だったのは認める
けれど
「何でしょうか…この図は」
夕暮れ時の誰も居なくなった公園で3人の男の子達に囲まれてる
しかも、みんなイケメンときたら誰もが羨ましがるシチュエーション……のはずなのだ
3人が笑顔だったらな
「何はこっちの台詞だぜぃ」
「いったい何のつもり何スか!」
「……何のつもりって聞かれても答えようが無いんですが」
大きなお世話だったのかも知れないけど、事実そっちが困ってた様に見えたから、ついつい手を出しちゃった訳で
「余計なお節介って言葉知ってるッスか?……うぜぇ事すんじゃねぇよ」
満面の嫌な笑みで声を変えて話すこの子は、本当に"あの子"なのか疑わしくなる位酷い顔をしている
「じゃあ、どうする気だったの?」
別にこっちが謝ってすむなら、謝るけど
「実際、そっちが困っていたのも事実でしょ?お節介だと言うのなら、今支払い分返して貰えれるって事なのかな?」
「っ!!……それは」
少し、冷静になってきたのか赤髪くんの目の色が落ち着いた
「そうやって人の揚げ足とるんじゃねーよっ!!」
逆に黒髪の子は目の色、赤いし
「赤也落ち着けって」
「俺は別に落ち着いてますよ…ただ、この女が気に食わねぇだけッス
人の弱味を握って正義面して、うざってぇ!!!
貸しを作って良いように何かしようってのがみえみえなんだよ!」
この子……
「……何かって何よ」
少し不機嫌気味にこっちも言葉を放つ
少し離れた所にあるベンチに座るユキがこちらを伺っている…
<<名前……>>
そんな不安げに言葉を飛ばしてこなくても大丈夫だから
ユキとの約束は、忘れてないよ
「…………何にそんな怯えてるの?」
「っ!!!!んだと…」
「何をそんなに警戒してんのって聞いてるの」
私の発言が、彼の傷に触れたのか…
身体を震わせて何かを我慢してる様に見える
「そんなに警戒して…人を信用しないで………平気?」
私には怒りや憎しみよりも悲しみの方が強く感じるよ…
「私は何も望まない…ただ、本当に困ってた様に見えたから手が出ちゃっただけ……それだけ」
だから
そんな今にも壊れそうな顔をするのはやめて…
「何も見返りなんて考えて無い
けど、そうやって直ぐ感情に任せて突っ走ってばかりいると……
いつか周りが見えなくなっちゃうよ」
「っ!!!」
いつか…赤也、君が一番傷つく事になっちゃう
「後悔してからじゃ遅いことってたくさんあるんだよ…」
...